聖杯戦争 前夜
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来るかもしれないそうですよ。
引っ掛けるとしたらここだと思います」
第二次世界大戦。
ドイツを支配したナチスのオカルト没頭は結構有名であり、東西分割されたドイツの東側にナチ高官が多く居たのもよく知られている話だ。
大戦前に発生した第三次聖杯戦争というのは、日英独のオカルト大戦だったと見れなくもない。
「村田警視。
冬木の拠点に入るのにも準備が必要でしょう。
彼女達はしばらくは東京に留まる可能性が高いと思います。
宿泊施設を中心に外国人名簿の確保と検索をお願いします」
「分かった。
警視庁と千葉・神奈川県警に協力を要請する。
何か状況が変化したら携帯にかけてくれ」
携帯が切られると、即座に携帯が鳴る。
見ると咲村二郎警部からだった。
「すまない。嬢ちゃん。
こっちで行方不明者が出た。
二十代女性で仕事からの帰りに消えて一週間経っても戻っていないらしい。
柏原さんに頼んで、監視カメラの画像のチェックをお願いできるか?」
「分かりました。
相手の写真を送ってください。
嫌なことですが、戦争始まりそうですよ」
淡々とした私の声に咲村警部が激高する。
長くテレビで放映されていた刑事ドラマの刑事よろしく、そこはかとない正義感は共同幻想として日本警察を覆っているのは強みなのだろう。多分。
「畜生!
これ以上被害者を出してたまるか!
絶対に捕まえてやるからな!!」
携帯が切られるとまた携帯がなる。
これが物語の始まりなのだろう。
関与できない私はもどかしいが。
「はい。神奈です」
「柏原だ。
冬木市郊外の廃屋で、二十代女性を保護した。
左腕を切断され出血多量で意識不明。
今、応急処置を施しているがどうする?」
ただの事件ならば、そのまま病院へ送ればいい。
だが、聖杯戦争は既に前哨戦の段階に突入している。
「柏原さん。
その人パスボートは持っていますか?」
「少し待ってくれ。
あった。
バゼット・フラガ・マクレミッツ。英国出身23歳」
違う。
アトラム・ガリアスタが殺された時点で聖杯戦争が始まったと皆が解釈して動き出したんだ。
そうでないとこの状況の激変が説明できない。
「あった。
協会から報告があった、封印指定の執行者だね。彼女」
安倍さんが書類の束から彼女の事を見つけ出す。
決まりだ。
既に聖杯戦争は始まっている。
「県外の病院に搬送して治療してください。
聖杯戦争関係者なので、回復後に私が尋問します」
状況が切迫している現状、何よりも足りないのはマンパワーだ。
冬木から離れた前線司令部である京都ですら、私と安倍さ
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