第六話 プラウダ戦を見ます! その1
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笑いながら優しく抱きしめアンナの頭を撫でた。抱きしめられ、頭を撫でられているアンナの顔は真っ赤になっていたがそんなこと千冬が知るよしもなく、耳元でこう言った。
「“千雪“にならできるよ。私の自慢の、ただ一人の妹………だから……頑張ってね!」
そう言うと千雪から離れ、踵を返し、仲間たちのもとへ帰っていた。
千雪はしばらく顔を真っ赤にしながらフリーズしていたところを見かねたカチューシャに起こされた。
千冬は、小百合たちのもとへ戻るといきなり多代にこう言われた。
「遅い!遅すぎる!あたし一人でこいつら全員の相手できるか!おチビは、靖香のツッコミで忙しいし、小百合たちは、雪合戦やってるし、巴に至っては、何かあたいの雪像を作ってるし!…………あたいはもう疲れたよ……」
いきなり言われた千冬はとりあえず多代に労いの言葉を送り、落ち着かせた。
そして事情を聴いた後、小百合たちの雪合戦に乱入して全員を倒し、巴の雪像づくりを手伝い、莞奈の怒りを収めた。
「何か……疲れた。特に莞奈の相手が疲れた」
「私は悪くないだろ!だいたい靖香がココアを30本も買ってくるのが悪いんだろ!」
「確かに問題だね」
「そうだろ!やはり私の味方は栗林だけだ」
同意するかのように頷いた千冬を見て、莞奈は元気を取り戻した。
「ココアだけじゃあ飽きちゃうよね!」
「そこじゃないだろぉぉぉお!?」
しかし再び怒りの炎に火が付いた。
そんなこんな問題があったものの、観戦席にたどり着いた千冬たちは、席に着き試合が始まるのを待っていた。
「早く始まらないかな?」
「もうちょっとしたら始まるわよ。ハイこれ」
「ありがとう。あったかいね」
莉乃から受け取ったココア、その温かさに思わず呟いた。
それを飲みながら思い出したかのように千冬は莉乃に聞いた。
「そう言えば一年生たちの“教育“は進んでる?」
「ええ、なんとか進んでるわよ。莞奈たちが頑張ってくれてるわ。………まあ三年生がいらないとを教えすぎて一年生たちは混乱しているけどね」
莉乃は肩をすくめながら言った。
「そっか……まあ進んでるならいいよ。それより“車輌“の方はどうなってるの?」
「“車輌“の方は多代が何とかするみたいよ。……でも詳しく聞こうとしても『まだ話せない』って言って教えてくれないのよ」
「山口には山口のやり方があるんだよ。好きにさせてあげればいいよ」
「でもあの子、私たちに何か隠してるわよ?」
「大丈夫、山口は裏切らないよ」
莉乃は不満げに言うが千冬は気にすることはなく断言した。
「大丈夫、山口は私を裏切らないよ。………あっ、そろそろ試合が始まる
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