ガンダムW
1672話
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「あ、お帰り。本当に今日のうちに戻ってきたわね」
ピースミリオンにある俺の部屋に戻ると、そこは当然のように凛と綾子の姿があった。
「ああ。ちょっと予想外の事はあったけど、それも何とか問題なく終わった」
ゼクスの操るトールギスUが姿を現したのはかなり驚きだった。
だが、炎獣の襲撃とガウォークへの変形という、未知の体験にはゼクスも動きを鈍らせ……結局トールギスUの右腕はドーバーガン諸共に半ばから切断されたのだ。
もっとも、俺はそれ以上攻撃せず、それを察したゼクスはスーパーバーニアを使ってバルジの宙域から飛び去り、OZのコロニーに向かったが。
それを確認すると、俺は以前と同じように炎獣を消し、バルジを空間倉庫に格納してその場から離れ……こうしてピースミリオンに戻ってきた訳だ。
ゼクスにとって、今回の件はどう影響するだろうな。
元々ゼクスはヒイロに対抗意識を持っていた。
だが、ヒイロはオペレーション・デイブレイク以降は殆ど姿を現さず、ゼクスの興味はトールギスを横から掻っ攫った俺に移った。
そしてルクセンブルク基地の戦いでリーオーを操るゼクスを俺が圧倒し……恐らくここでゼクスの興味は完全に俺に向いた。
その後、OZに残っていたトールギスの設計図からトールギスUを作り、宇宙で俺と遭遇した。
だが、そのすぐ後でバルジが再び姿を現し……そこには以前OZが接触した炎獣だけではなく、明らかに科学文明によって作られたサラマンダー。
もっとも、外見はファイターだったので、恐らく戦闘機と判断したのだろうが。
だが、最後の最後で炎獣によって襲われ……そして手足を生やしたサラマンダーにより右腕をドーバーガン諸共に切断された。
これは、ゼクスにとってかなり屈辱で、衝撃的だっただろう。
である以上、もしかしたらゼクスの興味はシャドウミラーの俺からバルジのサラマンダーに移った可能性は十分にある。
……もっとも、バルジは出たり消えたりをしているような存在だ。
明確に敵として考えるには、ちょっと難しいかもしれないが。
「ふーん。じゃあ、暫くの間はOZも大人しくなるのか?」
ソファに座ってTVを見ていた綾子の言葉に、多分と頷きを返す。
今回の件で、OZがバルジに対する脅威を覚えたのは間違いない。
姿を現したり消えたりするバルジ、炎獣、そしてサラマンダー。
どう考えても、普通であれば信じられないような存在だ。
いや、サラマンダーの外見は戦闘機だから、考えられないでもないだろうが。
ともあれ、そんな存在がいて……何故か2回続けてOZの勢力下にあるコロニーの側に姿を現したとなると、どう考えても自分達に対して何かあると考えるのが当然だろう。
これで恐らくはOZの動きが停滞するのだろうが……
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