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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ネザーVSユージーン
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両手剣で弾き返していく。
そして、連撃にわずかな間が空いた、その瞬間。
再びグラムが牙を剥いた。横薙ぎに払われる剣を、ネザーが反射的に己の剣で受けようとする。しかし、先ほどと同じように刀身が霞み、直後ネザーの腹に深々と食い込んだ。
「ぐぅ!!」
肺の中の空気を全て吐き出すような声を上げながら、今度は宙をくるくると吹き飛ばされる。翅を一杯に広げてブレーキをかけ、どうにか踏みとどまる。
「……おい、もう30秒経過したぞ」
途端、ネザーに向かって不敵に笑うユージーン。
「悪いな、やっぱり斬りたくなった。首を取るまでに変更だ」
「野郎……。調子に乗ってんじゃねえぞ!」
ネザーは片手剣を構え直すが、残念ながらその場にいる誰もがすでに勝負の行方は見えたも同然と思えた。
魔剣グラムのエクストラ攻撃を防ぐには、弾き防御に頼らず全てを避けるしかない。だが剣同士の高速近接戦闘においてそれはほとんど不可能だ。
同じ結論に達したのだろう、サクヤが押し殺した声で言った。
「厳しいな……。プレイヤーの技術は互角と見るが、武器の性能が違いすぎる。サーバーに1本しかないあの魔剣に対抗できるのは、同じく伝説武器の《聖剣エクスキャリバー》だけと予測されているが、そちらは入手方法すら未解明だからな……」
「………」
__それでも、あのネザーなら。初心者のくせに何度も規格外の強さで状況をひっくり返してきた謎のインプなら、もしかしたら。そう念じつつ、リーファは胸の前で強く両手を握った。
ユージーンが翅から赤い光の帯を引いてスラストをかける。その攻撃を、ネザーがランダム飛行で危なっかしく回避していく。
絡み合う2本の飛行軌跡が空に複雑な模様を描き、時々パパッとエフェクトの
光塵
(
こうじん
)
を散らしてはまた離れる。視線を合わせると、ネザーのHPバーは二度の被弾によって半分以上減少している。先刻、あれほどの多重魔法攻撃を耐え切ったネザーの防御を容易く貫通するとは、ユージーンの攻撃力はやはり只事ではない。
と、不意にネザーが振り返り、いつの間にかスペルワードを詠唱していたのか、その手が黒く輝き__
ボン、ボボボボン!と2人の周囲に真っ黒な煙がいくつも爆発した。幻惑系の範囲魔法なのだろう。それらはたちまちモクモクと広がっていき、空域を覆い尽くす。
黒雲は地上のリーファ達の頭上にも及び、さぁっと周囲が薄暗くなった。みるみる悪くなっていく視界の中、必死に眼を凝らしてネザーの姿を探そうとする。
「借りるぞ」
「わっ!?」
突然、耳元で囁き声がした。同時に、腰の鞘から愛刀が抜かれる感触。
「ね、ネザーさん!?」
慌てて振り向くが、すでにそこには誰の姿もない。だが、いつの間にか鞘
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