暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ネザーVSユージーン
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
も無意識に拳を強く握り締めた。

「インプがこんなところで何をしている?どちらにせよ殺すには変わりないが、その度胸に免じて話だけは聞いてやろう」

ネザーは臆する風もなく、答えた。

「俺の名はネザー。インプ=スプリガン=ウンディーネ同盟の大使だ。この場を襲うということは、我々5種族との全面戦争を望むと解釈する」

__うわぁ。

__おいおい。

リーファとキリトは絶句した。キリトはある程度予想していたが、はったりにしては無理がありすぎる。今度こそ錯覚でなく背中を冷や汗がだらだらと流れる。愕然とした顔でこちらに視線を向けるサクヤとアリシャ・ルーに向かって必死にウインク。

サラマンダーの指揮官も、さすがに驚いた様子だった。

「ウンディーネ……スプリガン……それにインプが同盟だと……?」

だがすぐにその表情は元に戻る。

「……ではあのスプリガンは、貴様の護衛か?」

「ああ、そんなところだ」

最初はキリトを大使、自分が護衛という配置にしようと考えたが、無知なキリトに大使役が務まるとはとても思えなかった。

「俺達はこの場に、シルフ・ケットシーとの貿易交渉に来ただけだ。だが会談が襲われたとなれば、それだけでは済まされないぞ。5種族で同盟を結び、サラマンダーに対抗することになるだろう」

しばしの沈黙が世界を覆った。__やがて、

「たった2人だけの上に、大した装備も持たない貴様の言葉を、にわかに信じるわけにはいかないな」

サラマンダーは突然背に手を回すと、巨大な両刃直剣を音高く抜き放った。暗い赤に輝く刀身に、絡み合う2匹の龍の象嵌(ぞうがん)が見て取れる。

「__俺の攻撃を30秒耐え切ったら、貴様を大使と信じてやろう」

「随分と気前がいいな」

飄々(ひょうひょう)とした声で言うと、ネザーも腰から片手剣を抜いた。

翅を振動させて浮き上がり、サラマンダーと同じ高度でホバリングする。瞬間、両者の間で圧縮された闘気が白くスパークしたような気がした。

……30秒……。

リーファはゴクリと喉を鳴らした。

ネザーの実力からすれば、余裕のある条件とも思える。だがあのサラマンダー指揮官の発する殺気も只事ではない。

緊迫した空気の中、隣に立つキリトは平然とした様子だった。ネザーと馴染みのキリトから見れば、サラマンダー相手に負けるはずがない、という確信にも近い心情があると言える。

一方でサクヤが低く囁いた。

「まずいな……」

「え……?」

「あのサラマンダーの両手剣、レジェンダリーウェポンの紹介サイトで見たことがある。《魔剣グラム》……ということはあの男が《ユージーン将軍》だろう。知ってるか?」

「……な、名前くらいは……」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ