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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ネザーVSユージーン
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も無意識に拳を強く握り締めた。
「インプがこんなところで何をしている?どちらにせよ殺すには変わりないが、その度胸に免じて話だけは聞いてやろう」
ネザーは臆する風もなく、答えた。
「俺の名はネザー。インプ=スプリガン=ウンディーネ同盟の大使だ。この場を襲うということは、我々5種族との全面戦争を望むと解釈する」
__うわぁ。
__おいおい。
リーファとキリトは絶句した。キリトはある程度予想していたが、はったりにしては無理がありすぎる。今度こそ錯覚でなく背中を冷や汗がだらだらと流れる。愕然とした顔でこちらに視線を向けるサクヤとアリシャ・ルーに向かって必死にウインク。
サラマンダーの指揮官も、さすがに驚いた様子だった。
「ウンディーネ……スプリガン……それにインプが同盟だと……?」
だがすぐにその表情は元に戻る。
「……ではあのスプリガンは、貴様の護衛か?」
「ああ、そんなところだ」
最初はキリトを大使、自分が護衛という配置にしようと考えたが、無知なキリトに大使役が務まるとはとても思えなかった。
「俺達はこの場に、シルフ・ケットシーとの貿易交渉に来ただけだ。だが会談が襲われたとなれば、それだけでは済まされないぞ。5種族で同盟を結び、サラマンダーに対抗することになるだろう」
しばしの沈黙が世界を覆った。__やがて、
「たった2人だけの上に、大した装備も持たない貴様の言葉を、にわかに信じるわけにはいかないな」
サラマンダーは突然背に手を回すと、巨大な両刃直剣を音高く抜き放った。暗い赤に輝く刀身に、絡み合う2匹の龍の
象嵌
(
ぞうがん
)
が見て取れる。
「__俺の攻撃を30秒耐え切ったら、貴様を大使と信じてやろう」
「随分と気前がいいな」
飄々
(
ひょうひょう
)
とした声で言うと、ネザーも腰から片手剣を抜いた。
翅を振動させて浮き上がり、サラマンダーと同じ高度でホバリングする。瞬間、両者の間で圧縮された闘気が白くスパークしたような気がした。
……30秒……。
リーファはゴクリと喉を鳴らした。
ネザーの実力からすれば、余裕のある条件とも思える。だがあのサラマンダー指揮官の発する殺気も只事ではない。
緊迫した空気の中、隣に立つキリトは平然とした様子だった。ネザーと馴染みのキリトから見れば、サラマンダー相手に負けるはずがない、という確信にも近い心情があると言える。
一方でサクヤが低く囁いた。
「まずいな……」
「え……?」
「あのサラマンダーの両手剣、レジェンダリーウェポンの紹介サイトで見たことがある。《魔剣グラム》……ということはあの男が《ユージーン将軍》だろう。知ってるか?」
「……な、名前くらいは……」
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