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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ネザーVSユージーン
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構えている。警告が間に合ったとしても、全員でケットシー領に逃げ込むか、揃って討ち死になるかだ」
「………」
ネザーの公明な分析力に翻弄されたキリトは、思案顔で顎を撫でた。
その時__。
「あっ、プレイヤー反応です!」
不意にユイが叫んだ。
「前方に大集団__68人、これがおそらくサラマンダーの強襲部隊です。更にその向こう側に14人、シルフ及びケットシーの会議出席者と予想します。双方が接触するまであと50秒です」
その言葉が終わると同時に、視界を遮っていた大きな雲の塊がさっと切れた。限界まで高度を取って並んでいたリーファの眼下に、緑の高原がいっぱいに広がる。
その一角、低空を
這
(
は
)
うように飛ぶ無数の黒い影。5人ずつ
楔
(
くさび
)
型のフォーメーションを作り、それらが密集して飛行する様は、攻撃目標に音もなく忍び寄る不吉な戦闘機の群のようだ。
視線を彼らが向かう先へと振る。円形の小さな台地が見える。ぽつりと白く横たわるのは長テーブルだろうか。左右に7つずつの椅子が据えられ、即席の会議場といった
按配
(
あんばい
)
だ。
椅子に座る者達は、会話に夢中なのか、まだ迫り来る脅威に気づいていないようだった。
「__間に合わなかったね」
リーファは、傍らの2人に向かってポツリと言った。
今からでは、サラマンダー軍を追い越し、領主達に警告しても、とても全員が逃げ切れる余裕はない。それでも、討ち死にを覚悟で盾となり、領主だけでも逃がす努力をしなければならない。
「ありがとう、キリト君、ネザーさん。ここまででいいよ。2人はこのまま世界樹に行って……短い間だったけど、楽しかった」
笑顔でそれだけ言い、ダイブに入ろうと翅を鋭角に畳んだ時、ネザーが不敵な顔を浮かべ__
「ここまで来て逃げ出すのは……気に食わねえな」
「え?」
「少々__バカげた作戦を思い付いた」
バカげた作戦__と聞いてキリトは眼を見開いた。冷静沈着な一匹狼がバカという単語を使うということは、それ相応の手段があるということだ。
「お前……まさか……!?」
この先の展開を予期したキリトは、一瞬引き止めようと思い始める。
「ああ、そのまさかだ」
聞く耳持たずという態度で翅を思い切り震わせて猛烈な加速に入った。バン!という衝撃音に顔を叩かれたリーファとキリトが一瞬眼を閉じ、再び開けた時には、ネザーはすでに台地を目指して急角度のダイブに入っていた。
「ちょ……ちょっとぉ!!なんですかそれ!!」
リーファとしては、少しだけ感傷的になりながら口にしたお別れの台詞を一瞬で台無しにされた。思わず抗議したが、ネザーは振り返りもせず見る見る遠ざかっていく。
キリトは後押しするような気持ちで笑み
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