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風魔の小次郎 風魔血風録
44部分:第五話 メッセージその二
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「そうだ。その時こそ」
「わかった、思う存分相手をしてやる」
「楽しみにしていろ」
 項羽は麗羅に助けられ姿を消した。後には紫炎と倒れ伏す白虎が残った。ここで白虎が何とか立ち上がり呻く声で呟くのだった。
「項羽め、この白虎に止めをささなかったのか」
「目覚めたか」
「その声は紫炎か」
「そうだ」
「貴様が来てくれたのか」
 言いながら声の方に顔を向ける。すると白虎は思わずその顔を強張らせてしまった。
「・・・・・・俺を救う為にそこまで」
「済まん、白虎」
 紫炎は彼に謝罪の言葉を述べた。
「私はこれ以上闘うことができぬ。だが項羽も戦線を離脱した」
「項羽がか。よくやった」
「また戻って来るだろうがそれでもだ」
「そしてその傷は誰にやられた」
「麗羅にだ」
「あいつも来たのか」
「そうだ。不覚を取った」
 苦い顔で彼に語る。
「そのせいで御前に迷惑をかける」
「そして麗羅は何処だ」
「項羽を風魔の里に連れて行ったそうだ」
「むっ、それでは」
 白虎はそれを聞いて悟った。
「今風魔の忍は二人共いないのか。よくやった」
「私を褒めてくれるか」
「後はこの白虎に任せろ。貴様の健闘無駄にはせぬ」
「やってくれるか」
「俺の力は知っている筈だ」
 立ち上がって言った。
「この白虎の力をな」
「では。頼む」
 紫炎は白虎を信じ彼に告げた。
「私もこれ以上の闘いは」
「無理をするな。姫様も喜んで下さる」
「姫様も」
「そうだ。だから下がれ。後は俺一人で風魔を一人でも多く倒してやる」
「頼むぞ」
「うむ」
 こう言葉を交えた後で紫炎はその炎の中に消えた。白虎は一人になるとまずは。紫炎のことを呟いた。
「御前に言った通りだ。後は俺が」
 その右手を顔の前に掲げる。すると。
 その顔が項羽のものになった。そのうえで不敵に笑ってみせる。
「これでよし。あの二人が戻って来るまでに風魔の忍を全滅させてやる」
 こう言って何処かへと姿を消した。彼は紫炎の健闘を受け自らは再び戦場に向かうのだった。夜叉八将軍としての誇りを胸に。

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