暁 〜小説投稿サイト〜
エターナルユースの妖精王
潜入せよ!!エバルー屋敷!!
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「羽……まだ消えないわよね」
「あい」

ハルジオンでの一件を思い出しつつそう問えば、ぱたぱたと羽をはためかせるハッピーが一つ返事をした。あの時は落ちた先が海だったからまだしも、今回は落ちたら落下地点は固い地面だ。確実に死ぬ。
メイド作戦は予定外の事態によって大失敗してしまったが、諦める訳にはいかない。ならばとナツが持ち出した作戦T―――作戦突撃(TОTSUGEKI)を決行するまでである。これが本当に作戦なのか、なんて細かい事は置いておいて。

「とーちゃくです」
「っと。ありがとね、ハッピー」

掴んでいたハッピーの両手を離し、すたっとエバルー邸のテラスに降り立つ。ナツを運んだ後だったから一抹の不安はあったが、何とか魔力は切れなかったらしい。
先にテラスに着いていたナツが、窓に顔と両手をくっつけたまま不服そうに口を開く。

「何でこんなコソコソ入らなきゃいけねんだ?」
「決まってるじゃない!依頼とはいえ、どろぼーみたいなモンなんだから」
「作戦Tってのはな、突撃のTだ。正面玄関から入って、邪魔な奴は全員ぶっ飛ばす」
「ダーメ!!!」
「で…本を燃やす」
「だから、それじゃダメなの!!!」

こんなに大きい屋敷だ、中に何人いるかも解らない状態で真正面から突っ込んで行くのは無謀すぎる。しかも、これは正式な依頼とはいえ誰かの持ち物を盗んでいる訳で、正面から正々堂々と行うようなものではない。
それから、もう一つ。

「アンタ等が今まで、盗賊退治やら怪物退治やらいくつの仕事をしてきたのか知らないけどね、今回のターゲットは街の有力者!ムカツク変態オヤジでも、悪党じゃないのよ。ヘタな事したら軍が動くわ」

そう。確かにエバルーは美的センスが壊滅していて、スケベで変態で、しかも気持ち悪かったとしても、悪党ではない。並べた要素はマイナスなものかもしれないけれど、どれ一つとして犯罪ではないのだ。
相手が泥棒なり盗賊団なりで、盗まれたものを取り戻すというならまだいい。が、今回の依頼は本を所有者から盗み出す、言うまでもなくこちらの方が犯罪だと言われかねない内容なのである。もしも本を取った現場を目撃されてしまえば、街の有力者相手に魔導士ギルドの一魔導士では歯が立たない。軍を動かされてしまったら、と想像するだけでも恐ろしい。
そう説明すると、窓から離れたナツが不満げに口を尖らせる。

「何だよ、オマエだって『許さん!!』とか言ってたじゃん」

確かに言った。
そして、それを忘れてやる気はない。

「ええ!!!許さないわよ!!!あんな事言われたし!!!だから本を燃やすついでに、アイツの靴とか隠してやるのよっ!!!」

思い出しただけで怒りが湧く。堪えるように拳を作って、ぐっと強く握りしめる。
思わずナツが「う
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