潜入せよ!!エバルー屋敷!!
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「ボヨヨヨ!!!南の狼は常に空腹なのだ!!!覚悟しろよ」
ナツが睨む。
三つ編みの方が前を見据える。
ハッピーが眉を吊り上げる。
バンダナの方が見下すように見下ろす。
エバルーが得意気に笑う。――――そして。
《大丈夫だって、こんな近くが当たりな訳…な……》
突然、ドアが開いた。
そこに立っていたのは、青年だった。
灰色の髪を高い位置で無造作に束ね、きょとんと開かれているのは艶やかな黒い瞳。カーディナルブルーの、すらりとしたシルエットの騎士服を纏い、両手首下から手の甲までを守る藍色の籠手を―――――
《う、わああああああああああああっ!!!?》
装備している、とまで観察し終えたと同時に、猛スピードで叩き付けるようにドアが閉められた。
「……」
「「「「「おい!!!」」」」」
この状況ですらじーっと本を読み続けるルーシィに、敵味方関係なくその場にいた全員が声を上げた。
「…おい」
《う…ごめんアーサー、俺使えねえな……》
「いや、止めなかったオレにも非はある。…だけど、なあ……どうするか」
《……》
「……よし、もうこれしかない。行くぞパーシヴァル」
《は?え、何する気…ってちょっ、待っ、アーサー足下ろせ!!!止め――――》
「問答無用!!!!」
ドゴォッ!!!!と。
ドアの外で誰かが叫んだ、と同時にドアが吹っ飛んだ。向かいの本棚まで吹き飛んだドア(だったもの)を全員が目で追って、派手な破壊音やら飛んで来た際の風圧やらで反射的にルーシィも顔を上げる。
本棚に激突しぱたりと床に落ちたドア(だったもの)を数秒見つめ、それから全員の視線がドアがあった場所に集中する。事の元凶は真っ直ぐに突き出していた右脚を降ろし、息を吐いた。その姿を見つけたルーシィが目を見開く。
「え、ニア!!!?」
「んな――――っ!!?」
「……何で読書してるんだ、お前」
得意の鋭い蹴りでドアを吹き飛ばした元凶―――ニアは、怪訝そうに眉を顰めた。その後ろでは(本を読んでいて顔を上げていなかったルーシィにとっては)見知らぬ青年が、やっちまったと言わんばかりに額に手をやり天を仰いでいる。
「な、なななななっ…誰だ貴様は!!いつの間に我が屋敷にっ……!!!」
「そ…そうよ、何でニアがここに……」
その問いに、ニアは少し考えた。
ここで正直に「仕事とはいえスケベオヤジのところに行くお前が心配で追ってきた」なんて言う訳にはいかない。というか言えない。ギルドの魔導士なんだから頑張って来い、と言ってしまった手前、言う訳にはいかないのだ。それはパーシヴァ
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