潜入せよ!!エバルー屋敷!!
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「これ……全部読んでるとしたら、ちょっと感心しちゃうわね」
「ウホッ!!!エロいのみっけ!!!」
「魚図鑑だ!!!」
種類は様々、冊数は百どころか千を超えるかもしれない。これらを集めるだけでも一苦労だろうが、ここにある全てを読み切るというのもなかなかに凄い事だろう。相手があのエロオヤジだというのは解っているが、同じ本好きとしては思わず感心してしまう。
「はあー、こんな中から一冊を見つけんのはしんどそぉ」
「何だこれ!!?字ばっかだな」
「ナツ……普通はそうだよ」
壁中の本棚から、たった三人で一冊を見つけ出す。しかも、エバルーに見つかるより前に。
この数では背表紙をいちいち確認するのだって大変だろうし、ブックカバーでも付けられてしまっていれば中まで確認しなければいけなくなる。そもそもこの部屋に日の出があるのかすら解らないのだ。これだけある本の全てを漁って全て外れだったら、なんて、考えるだけで気が滅入りそうになる。
出来るだけ早く、その上見逃す事なく正確に。ぎっちり本が詰まった本棚を見回して、溜め息を吐いた。
「おおおっ!!!金色の本発っけーん!!!」
「ウパー!!!」
「アンタら真面目に探しなさいよ!!!」
そんなルーシィの背後で、ようやく忍者気分が抜けきったらしい二人がはしゃいだような声を上げる。先ほどから敢えて何も言わずにいたルーシィも流石に耐え切れずにツッコミを入れつつ振り返ると、言葉通りナツの手には目を引く金色の本が一冊。
表紙には水平線から昇っていく美しい太陽。その上に大きく書かれたタイトルは、“DAY BREAK”―――――三人の視線が、その本に集中する。
「日の出!!!!」
「見つかった―――っ!!!」
「こんなにあっさり見つかっちゃっていい訳!!?」
まさかの事態に、隠密行動をしている事も忘れて叫ぶ。
だってそれは間違いなく、探していた日の出で。隙間なく棚を埋める何百の本の中からこんなあっさりと、他の本より目立つ色をしているからと抜き取ったそれが、まさか。
ぽかんとしながら本を見つめていたルーシィは、そのままいつもの癖で作者名に目を走らせる。この世にたった一冊の本、その著者の名前を目で追って―――はっと目を見開いた。
「さて、燃やすか」
「簡単だったね!」
「ちょ……ちょっと待って!!!」
右手に本を持ち直したナツが、空いた左手に炎を纏う。そのまま手を近づけて本を燃やそうとするのを、ルーシィは咄嗟に引き留めた。その手から本を半ば奪うように取り、今度は正面から作者の名前を確認する。
「こ…これ……作者、ケム・ザレオンじゃない!!!」
「ケム?」
「魔導士でありながら小説家だった人よ!!あたし大フ
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