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エターナルユースの妖精王
潜入せよ!!エバルー屋敷!!
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を探し出して破棄する予定だったが、こうなっては仕方がない。
ルーシィの指先が鍵に触れた、その時、その隣。焦ったナツが大急ぎでマフラーを顔に巻き、目元だけを晒して、力強く床を蹴った。

「おおおおっ、忍者ぁっ!!!!」
「はいいいっ!!!?」

炎を纏った足が、五人をまとめて蹴り飛ばす。相手が女だろうが容赦なし、一番狙いやすい位置にいた巨体メイドの頬を強く打ち、それ以外の四人も振り上げた右足で吹き飛ばす。
宙を舞うメイド集団は悲鳴を上げる暇すらなく、そのまま手摺を飛び越えて下のフロアへと落ちていく。

「まだ見つかる訳にはいかんでござるよ、にんにん」
「にんにん」
「普通に騒がしいから……アンタ……」

……というかそもそも、見つかってしまったから襲撃された訳なのだが。
マフラーを顔に巻き付けたまま忍者のように手を構えるナツに、ルーシィは呆れて呟いた。









「おい、今の何の音だ」
《それはどっちに対する質問かな、アーサー》
「…遠くの方も、お前の足元のそれも、両方だ」

いい、と言われていないからだろう。約束通り一歩も動いていない様子のニアが、顔だけを動かして室内を眺めつつ問うた。振り返って首を傾げると、はぐらかすなと言わんばかりに眉を寄せる。
さて、どちらから答えたものか。というか遠くの方の音に関しては、現場にいないのだから憶測でしかないのだけれど。顎に手をやり少し考えて、まずは確実に答えられる方を選ぶ事にした。

《じゃあ後者から。……あの公爵サマ、監視用の魔水晶(ラクリマ)なんて置いてたからさあ。古すぎて使い物にならないのか、こういう事の為に置いてある新品なのか、その辺の判断出来ないし》
「……だから、どちらであってもいいように壊したと」
《そういう事。ほら、俺ならこういうの全般に映らないから。まあアイツ等は気づかなかったっぽいし、全身丸ごと映ったと思うけどな》
「オレに来るなって言ったのは」
《そりゃあアーサーはばっちり映って即バレるから。それだと困るかなーと。……俺、余計な事した?》
「いや、全然。むしろ助かった」
《ならよかった。あ、もう入ってもいいぞー》

来い来いと手招きをすると、小さく頷いたニアが窓枠に手をかけ、かけた手を軸にして軽々と飛び越えて来る。……やけにスタイリッシュというか何というかなその動作は誰仕込みだろうか。

「で、前者は?」
《憶測だけど、とりあえず間違いなくアイツ等が何かしたっていうのは解る》
「それはオレも解る」
《ここからは多分だけど、うっかり見つかりでもしたんじゃないかなあ》
「……は?」
《アーサー、顔。崩れてはないけど見る奴が見たら気絶するやつになってる。ベディが気遣って、原因を叩き潰してきますね!って言い出
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