潜入せよ!!エバルー屋敷!!
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話を焼き過ぎた。
その結果料理は(基本周りが用意していたので)出来ないし、金銭感覚は(周囲の環境が環境だったのと、買い物も大体人任せでその上誰も断らなかったので)軽く麻痺しているし、暑さにも寒さにも(彼が一言「暑い」だの「寒い」だのと呟こうものなら世話役二人が恐ろしい速度で駆けつけて来てあれこれしていくので)耐性がないし、自分に降りかかる危機に対しても(彼が行くのは大抵周囲によって危険が取り除かれた後なので)鈍い上に考えが至らないのだ。どうしてこうなったと頭を抱えたくなる。
(……育て方、間違えたかなあ…)
ニアが何でもかんでも頼りっぱなしの甘ちゃんではなく、自分で出来る事は黙って自分でやる人だったのが唯一の救いだろうか。
《とにかく、すぐ終わらせてくるから。絶対、絶対、ぜーったい、俺がいいって言うまではそこにいろよ?》
「解った」
何をしてくるつもりなのかも聞かずにあっさり頷いたニアに一つ頷き返して、窓枠に足をかける。ひょいと室内に入り込むとぶわっと埃が舞った気がして、思わず顔を顰めた。
顔の前で手を振って埃っぽい空気を払いつつ大股で棚に近づき、並ぶ荷物の中から目当てのものを掴む。
《さて、と》
耳を澄ませる。遠くの方で微かに聞こえる音だけを頼りに、右手を持ち上げる。
右手で鷲掴みにしたそれ―――狼が乗った丸い水晶玉にちらりと目をやって、パーシヴァルはにやりと薄く笑った。
《果てさて、今あちらさんには何が見えてるんだろうなァ?》
「…?」
ゴゴゴゴゴ…と、遠くの方から低い音がした。
足元が小刻みに震えている気がして、目線を下げる。
「…気のせいか?」
言われた通りにその場で待機していたニアは、不思議そうに首を傾げていた。
感じた揺れは、ニアの気のせいなどではなかった。
こそこそと移動を続けていたナツ達も振動を感じて立ち止まる。何事かと周囲を見回して、けれど異変に気付くよりも早く、事態は動き出す。
「侵入者発見!!!」
突如盛り上がった地面から飛び出す人影が、五つ。
勢いよく飛び出してきたのは、先程門の前で見たメイド達だった。ピンク髪巨体メイドを中心に、それぞれ槍を構えてこちらを睨みつけている。
「うほぉおおぉおぉおっ!!!!」
「見つかったぁ――――っ!!!」
「ハイジョ、シマス」
ナツとルーシィが叫び、驚きすぎたせいかハッピーの頭から頭蓋骨がすぽんと抜け、巨体メイドの目が鋭く光る。
見つかる可能性を考えていなかった訳ではないが、まさか地面から飛び出してくるとは思わなかった。門の前で一度この光景を見てはいたが、まさか。衝撃的な事態に思わず反応が遅れて、鋭く光った目を見てはっとして鍵に手をかける。密かに本
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