潜入せよ!!エバルー屋敷!!
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の汚名を返上するからな!!!》
目を向ける事なく名前を呼ぶと、長いこと黙っていたパーシヴァルがにっと口角を上げる。
わざわざ言われずとも、何を命じられたのかくらい解る。戦力的に不安のあるルーシィと戦えないであろうハッピーが仮に戦わざるを得ない事態に直面した時の為の戦闘要員。密かに込められた「あまり過度には干渉するな」との指令まで受け止めて、パーシヴァルは駆け出した。
――――部屋に残っているのは四人。下りた沈黙を破ったのは、三つ編みの方の傭兵だった。
「来い!!!“火”の魔導士」
「ん?何で火って知ってんだ?」
「フフフ、全ては監視水晶にて見ていたのだよ」
「?……ああ、パーシヴァルが壊したアレか」
ニアの呟きに眉がぴくりと動いたが、それ以上の追及はない。
「あの娘は鍵……所有系、星霊魔導士だな。契約数七。空を飛んだ猫は疑うまでもなく能力系、翼」
「そして貴様はガラスを溶かし、足に火を纏った……能力系の火の魔導士とみて、まず違いないだろう」
「なら、オレは?」
唐突にニアが言った。フードの奥で、意地悪そうに薄く笑っている。
「監視水晶で見ていたんだろう?…ほら、答えてみろよ」
「……貴様が何であれ関係ない。魔導士ギルドに属していないという時点で、半人前なのは解っているのだからな」
「ん?オレは魔導士だなんて一言も言ってないんだが?何を根拠にオレが魔導士だと判断した?」
「……」
「まあ、何だっていいさ。思い込みは時として自滅に繋がるが、お前達が自滅しようがオレには関係ない」
そうだ。確かにニアは、ここに来てから「自分は魔導士だ」なんて一度だって口に出していない。そもそもの前提から崩しにかかる煽り方に、傭兵二人が顔を歪める。それに満足したのか、ニアがくすりと笑みを零す。
「けど、知ってるなら覚悟は出来てるって事だな!?黒コゲになる」
「残念ながら、出来てないと言っておこう。何故なら」
にやりと笑みを浮かべてナツが右手に炎を纏う。それを見た三つ編みの傭兵が、背負う巨大平鍋の持ち手を掴む。
「火の魔導士は私が最も得意とする相手だからな」
「ふーん」
構えられた平鍋を見つめ、ナツはだからどうしたと言わんばかりに呟いた。
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