第二話 未来と過去
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あくまで、テロリストを討ち取る為の名目でギャラルホルンの利益を上げる。
これで立ち前は充分だ。
ラスタル・エリオンは愚か者共に発言しようとする、その時だった────。
「皆さん。どうか落ち着いて、冷静になって下さい」
特別会議室に響き渡る女の声。
火星連合議長 クーデリア・オーガス・ミクスタ・バーンスタインだ。
「ガンダム バエルの奪取。確かに、ことは唯識事態です。ですが、今は『バエル』奪取の真意を汲み取るべきだと私は判断します」
それを聴いた哀れな男は。
「真意を……汲み取る?
ギャラルホルンの象徴である、バエルを奪取した意味をですか……?」
それを聴いた哀れな女は。
「それなら明確じゃないですか。バエルはギャラルホルンの象徴。それを手にしたという事はギャラルホルンの……」
女はそこで己の口を閉ざした。
当然だ、その先の事を言えばこの場からつまみ出されるのは明確。女は下を向き、発言を止めた。
そして、クーデリアは動き出す。
「ギャラルホルンの象徴。
ガンダム バエルの存在は大きい。ですが、それは愚像に過ぎません」
彼女は今、とんでもない発言をした。
その発言を耳にした者の表情は唖然。あまりの発言に椅子から転げ落ちる者もいた。
「ガンダム バエル。アレは過去の栄光、過去の遺物です。それを奪取された程度で畏怖する貴方達を私は見るに堪えません」
またもや、とんでもない発言。
ある男は口をパクパクと魚のように開かせ。
ある女は滝のような汗をかき、顔のメイクが崩れていた。
そして、ある男は────。
「全く、その通り。その通りだ。
クーデリア・ オーガス・ミクスタ・バーンスタイン」
男は、ラスタル・エリオンは、パチパチっと拍手で賞賛していた。
「皆様、少し冷静になって考えてみて下さい。たかが、モビルスーツの一機がテロリストに奪取されただけ。それほど悩まれるような事ではありませんよ」
「し、しかしアレは────」
「ギャラルホルンの象徴?
えぇ、確かにアレはギャラルホルンの『過去』の象徴です」
男は、ラスタル・エリオンは微笑んでいた。
まさか、このような展開になるとは思ってもみなかった。退屈な会議が一変し、興味をそそられるものとなった。
「確かに。ガンダム バエルの、アグニカ・カイエルの存在なくしてギャラルホルンの存在は有り得なかった。ですが、それは過去の事。現代においては何の意味も成さない」
ラスタル・エリオンはギャラルホルンの長とは思えない発言を淡々と述べた。
「私達にとって一番大切なものは今です。いちいち過去に囚われていてはこれから先の未来も見えてはきませんよ」
「ですが、過去あっての今です!」
小童(こわっぱ
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