第五話 プラウダです! その2
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る相手はT-50のハッチから顔を出し可愛らしい笑顔になりながら手を振りそれに答えた。
その黒く美しいセミロングの髪が風に揺られている姿を見ると、初めて彼女を見た者は、先ほどの模擬戦でT-34を四両も撃破した車長にはとても見えないし、ましてや砲手も務めているとは誰も思わないだろう。
どこかのお嬢様のような雰囲気まで醸し出していた。
彼女の顔からは、つい先ほどまで激しい試合をしていたとは思えないほどに落ち着いていた。
しかし彼女には欠点がある。お嬢様のような雰囲気を一撃で木っ端微塵にできる程の欠点がある。
「大口叩いた割にはクソ雑魚だったね。あんな先輩が居たなんて悲しいな〜私。まあ、あんな雑魚共はさっさと消えて欲しいけどね〜。無能すぎるでしょ?いくらなんでも」
口はもの凄く悪いことである。
しかしカチューシャやノンナの前では一切そう言った、はしたない言葉は使わないが、ノンナは小学校、カチューシャは中学校からの付き合いなので二人はこの事を知っている。
言わなくなったのは高校からで理由は、カチューシャとノンナに成長した姿を見せるためと、ノンナのようなクールな性格になりたいがゆえに二人の前ではそう言った言動は控えている。ちなみに髪型がセミロングなのはノンナがセミロングなので真似たためである。
「あ、相変わらずアーニャは厳しいんだな……」
「ニーナは優しすぎるんだよ。あんなクズ共には慈悲など必要ないし、端からかける気もないし、あんな無能はさっさと居なくなってほしいね。この世から」
「そ、そっか……」
これには思わず千雪以外の全員が苦笑いした。
何の躊躇も恐れもなく先輩の悪口を言えるのはプラウダ高校では千雪ぐらいなのだ。
「さて……そろそろ格納庫に着きますよ。皆さん、模擬戦お疲れさまでした。カチューシャ隊長には私が報告してくるので皆さんは、車両の整備点検をお願いします。ニーナ、後の事は任せたよ」
「了解しただ!」
格納庫に着くと千雪は直ぐにカチューシャの居場所を先輩から聞き、そこへ向かった。
たどり着いた場所は監視塔の最上階にある展望室。
千雪がドアをコンコンッとノックをすると中から返事が返ってきた。
「誰?」
「アンナです。同志カチューシャ隊長」
「そう、入っていいわよ」
「失礼します」
千雪がドアを開けると、そこで目にしたものは……
「千雪、久しぶりだね!」
自分に向かって両手を広げながら突進して来ている姉、千冬の姿だった。
「姉ちゃん、そろそろ抱き着くのやめてくれる?」
「千雪はめんこいね〜」
「聞いてねえしこの姉……」
千冬は、千雪の
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