第四話 プラウダです! その1
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に大きくため息をしながらカチューシャは言った。
「そんなの電話で済むじゃない……なんでわざわざ言いに来たのよ?」
「お前が油断しているからだ」
千冬の返答に一瞬ムッとした表情になったがすぐに笑いながら言った。
「聖グロのダージリンにも言ったけど、あんな聞いたこともない弱小校に負けるわけないじゃない。いくら西住流の娘がいるからって所詮妹の方でしょ?カチューシャたちが負けるなんてありえないわ」
その言葉聞いた瞬間、千冬は眉間に皺を寄せ、怒りもしくは殺意に近いものがこもった瞳でカチューシャを睨んだ。その眼は到底女子高生とは思えない力強さがあった。
「……『決して敵を侮ってはならない。決して油断してはならない。自分の力におごってはならない』……忘れてはいないよな……カチューシャ?」
千冬に睨まれ怯みはしたもののすぐに言い返した。
「ちゃんと覚えてるわよ!力の違いを見せつけてやるんだから!」
「………そっか。頑張ってね!応援に行くから!あ、ノンナ紅茶お代わり」
千冬は、カチューシャの答えに満足したのか怒りを収めて笑顔になりながら紅茶のお代わりをノンナに求めた。
カチューシャは顔には出さないが内心、心底怯えていた。千冬とは中学からの付き合いだが苦手意識が強かった。
苦手というよりも千冬に対して恐怖心を抱いていた。日常生活ではどこにでもいる元気な少女だったが、戦車に乗ると人格が変わったかのような発言や行動をするのでそれが未だに恐ろしいと思っていた。
「そう言えばカチューシャ?」
「な、なによ!?」
「千雪は元気?」
「千雪じゃなくてここでは同志アンナよ!」
ついさっきまで怯えていたのでいきなり声をかけられ驚きながらもしっかりと答えを返したカチューシャだった。
「同志アンナね……」
「友人たちからは愛称であるアーニャと呼ばれてますよ」
「そっか……元気にやってるんだね?」
「少々元気すぎるところがありますけどね……」
ノンナが苦笑いしながら答えるのを見て千冬は、思い出したかのように言った。
「千雪ってまだノンナの事を『ノンナ姉』って呼んでるの?」
「はい……」
「まあ千雪はノンナの事が大好きだから仕方がないよ。別にみんなの前で言ってるんじゃないんでしょ?」
「それはそうですが……」
「……やっぱり嫌?」
「嫌というか恥ずかしいです……」
「……なんかごめん……」
少し困った表情をしながら答えるノンナに対し千雪の姉として申し訳ない気持ちになっていた。
少し気まずい空気になっていたがその空気を打ち破ったのは以外な人物だった。
「千冬殿、T‐34ー85を見に行くのではなかったのではありませんか?」
「あ、忘れてた!カ
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