第四話 プラウダです! その1
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え、荷物の量も少ないですし、これくらい大丈夫ですよ」
「そっか………早く、T-34-85が見たいな……」
「………千冬殿、我々は遊びに来たのでは無いのですから、戦車はやる事をやった後にしてください」
「わかってるよ。一言いう為だけにわざわざ来てるんだから」
真衣が注意するように言うと、千冬は学園艦を見つめながら答えた。
時を同じくして知波単学園では、今では当たり前になった行進間射撃の訓練を行っていた。いつもと違うのは訓練を指揮しているのが千冬ではなく、莉乃になっているという点だ。
更に言うと小百合、莞奈、多代たちは、一年生の指導に当たっている。これは、千冬の訓練が激しすぎて一年生たちがほとんど付いて行けてなかったので、全体を見てうまくできている莞奈、多代たちが指導に当てる様にし、小百合は余ったので困っている子がいたらサポートする役を与えていた。
演習場の監視塔から訓練の指示を出しながら莉乃は考えていた。
「………まだまだ練度が低いわね………こんなんじゃ幾ら経っても黒森峰に勝てないわね………火力も無いし……新しい車両とか買わないのかしら……?」
彼女が悩んでいることは知波単学園の火力の無さである。知波単学園が保有する車両は、九七式中戦車の旧砲塔同じく九七式中戦車の新砲塔、九五式軽戦車を主力とし、何故か倉庫でほこりを被っていたのを多代が見つけて整備した九八式軽戦車だけと、お世辞にも火力が高いとは言えないのが現状だった。
「どこかに火力が高い戦車、落ちてないかしら……?」
「何かお悩みかい?」
莉乃が後ろ向くといつの間にか多代が笑いながら立っていた。
「何であなたがここに居るの?一年生を指導してって私言ったわよね?」
「そう睨みながら言うなよ……一年生の指導はあらかた終わったよ。今はおチビ(莞奈のこと)が座学をやってるよ」
「本当に大丈夫なの?」
「あたいだってガキの頃から戦車道やってたんだ。教えるのは慣れてるよ」
莉乃は、多代を疑うように睨みつけていると、多代は豊満な胸を張りながら答えた。その光景を見た瞬間、莉乃はますます不機嫌になった。
「で、なにか悩んでるのか?」
不機嫌になっている莉乃を気にすることなく多代は話を切り出した。
「…………火力のある戦車が欲しいと思っただけよ」
「火力ね…………用意できるけどな……」
「用意できるの!?」
思いもよらぬ答えに莉乃は飛びつく勢いで多代に迫った。
「お、落ち着けって!……用意できるけど時間が掛かる。それでも良いか?」
「じ、時間が掛かるっていつ頃までかかるの!?」
「う〜ん……早くて今年の冬、遅くても来年の春頃だと思う」
「そ、
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