第3話「Smart Links」
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んでいたのだ。あの時に。
そんな思考が浮かぶと同時、体がぶるりと寒気に震える。顔を青くしてから考えない様にと、すぐに頭から振り払う。と、そんな事をしている内に、健がパンと思い付いた様に手を叩いた。
「そうそう、絵里ちゃん。君には少しお出掛けしてきて貰うね」
「なーーっ!?」
突然そんな事を言い出した健に、思わず声が漏れた。
「そ、そんな事したら、私殺されちゃいますよっ!?」
「ああ、まあそういう結論になるか。それじゃあ、こう言った方がいいかな」
健は苦笑して指を一本立てると、そのままその指先を真下に向ける。絵里が訝しげな視線を健に向けると、その指先に力を込める様な様子を見せる。しかしなにも起きる事はなく、ふと彼は力を抜いた。
「今ね、僕は『異能力』を発動しようとしてたんだ。覚えてる?あの銃弾止めたやつ」
「は、はい。一応……」
「僕の異能……『moon light fantasy』は、空間を操る力なんだ。昨日で言えば、空間を停滞させて銃弾を止めていた。頑張れば瞬間移動とか、そう言ったこともできるかもしれない」
まさにファンタジー。現実離れも甚だしい、おとぎ話や物語の中の様な力。そう付け足した健に驚愕するが、でも、と健は言葉を付け足した。
「流石に沿う事は上手く運ばないらしくてね、制限があるんだ。それも、『月の出ている間しか使えない』……っていうね。だから真昼間の今じゃ、さっきみたいに発動すらしない。昼や新月の間、僕はただの一般人って訳さ。付け加えると、奴らにはもうこの場所はバレてる。いずれ襲撃されるだろうね」
「……っ」
特殊部隊すら通用しなかった相手が、奇襲を掛けてくる。
そんな地獄の様な未来を想像して、ゾッとした。彼がわざわざそんな事を言うという事は、実際そうなっては勝ち目が無いという事だ。つまりそれは――。
「だからこその外さ。夜の間なら防衛も出来るし、昼の間ならひたすら街を動き回って撒くんだ。まあ、ここでジッとしているよりはマシだろう」
「は、はぁ……」
イマイチ納得が行かないが、自分はこう言った事柄については完全に素人だ。素人判断で勝手に行動するよりも、指示に従った方が確実だという事だけは分かる。
「ああ、勿論護衛は付けるとも。双樹君、出番だよ」
「だろうよ。今護衛として機能すんのは俺ぐらいだしな……了解」
「流石、話が早いね」
「ぶっちゃけ面倒臭い」
「本音出るのが早い」
相変わらず何の感情も見えないような無表情で平然と言って見せる双樹はしかし、「まあ仕方ない」などと言って立ち上がる。自身のレッグポーチのボタンを外して中を覗き、何かが入っている事を確認したのか直ぐに閉じた。
そのまま事
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