暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第166話 ゲルマニア、ロマリアの現状
[10/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
していない振りをしたとしても、多少の独占欲や感情の揺れ。それに血を分けた姉妹に対する後ろめたさを持っていたとしても不思議ではない。
 その辺りに付いてもすべて聖戦が終わってから考えれば間に合う事。そもそも、彼女が感じて居るのであろう後ろめたさ。……自分が自らの妹に比べて幸せな生活を続けて来られた、と言う事に関して言うのなら、それは彼女自身ではどうしようもなかった事だと思う。
 そもそも生まれ落ちた瞬間に妹の方は捨てられたのだから、これは彼女ではどうしようもなかった。
 ……と、簡単に割り切れるのなら、今のタバサと名乗っている少女が出来上がる事はなかったとも思うのだが。

 そう。他の二人に関しては前世の二人がそのまま転生を果たしているかどうか未だ不明だが、シャルロットだけは間違いなく前世と同じ魂を持つ少女が転生を果たしている。
 ならば、彼女は現実世界で俺と出逢えば、ロマリアやゲルマニアの完全な操り人形と化しているオルレアン大公息女シャルロットから、地球世界で出会った少女、神代万結と成る可能性が高い。

 俺と万結の関係ならば、ギアス(強制)と言う、ハルケギニア特有の精神支配の術であったとしても、その影響下から救い出す事は難しくない……はず。
 ギアスの魔法について詳しく知っている訳ではないので、根拠のない自信にも等しい思考。もっとも、シャルロットの身柄さえ確保して仕舞えば、後は彼女自身の時間を封じて仕舞えば死ぬ事もなくなるので、その後、虚無に魅入られた別の人間が現われる事もなくなる。
 そもそも、俺から見ると虚無の担い手だろうが、スクエアレベルの系統魔法使いだろうが、どちらも一般人に毛が生えた程度の違いしか感じない。少なくとも世界から気を吸い上げて、それを自分の霊気として使用出来るレベルに成っていなければ、術を使う者としての程度は高が知れている。
 この程度の相手で、更に自分の意志を奪われた相手なら、シャルロットが生きている状態で、すべての行動を封じて仕舞うのはそれほど難しい事ではない。

「ましてガリアの場合は、流石に国内に争いがある状態で聖地へと兵を送り込むのも難しいからな」

 あの場所。前世で聖地と呼ばれていた場所と、今回の人生でこれから先に赴く可能性のあるハルケギニア的な聖地と呼ばれている場所が完全にイコールで繋ぐ事が出来た場合、あの場所を完全に人間の踏み込む事の出来ない禁足地にするのは流石に難しい。確かに、このハルケギニア世界的に、あの場所は聖地なのでしょうが、地球世界の伝承から言えばあの地域は非常に危険な不浄の地。
 但し、故に双方の神話や伝承で語られた力と言う物が存在している以上、その周りを八幡の藪知らず状態……つまり、特殊な陣で周囲を囲って、外部から侵入する事も出来ず、更に言うと、内部から現われた何モノか
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ