第7章 聖戦
第166話 ゲルマニア、ロマリアの現状
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が外部に脱出する事が出来ないようにするのはかなり難しい。
成るほど、おおよその事情は呑み込めた。小さく首肯いて見せる俺。そして、
イザベラに報告する前に余計な時間を取らせて悪かったな。そう最初に告げた後、
「ありがとさん、やな。これで次の策を立て易くなったよ」
……と続けた。
現状、戦争に関して言うのなら多少の余裕はある。但し、現在不足気味の戦力を増強する時間が与えられている、と言うほどの余裕が与えられている訳でもない。
俺やタバサたちは流石に手一杯だが、それ以外の駒。例えば、目の前に居るイケメンの貴族になら小細工を頼む事は出来そうだ、と言う事が理解出来た。
確かに未だアルザス侯シャルルが何故、ガリアから独立を決心出来たのか。その辺りに関しての情報は得られていないが、それは後でタバサに問えば十分。彼女は政治や軍事にあまり興味がないような振りをしているが、まったく知らない訳ではない。
おそらく彼女が知る限りの内容を伝えてくれるでしょう。
さて、それならどうするか。
俺に出来る事は、この目の前のイケメン貴族にも出来る。そう考えて問題ない。……などと、かなり勝手な事を考えて居た俺。そして、俺に抱き上げられた状態のままで少し居心地の……と言うか、居心地自体は悪くはないけど、ほんの少しだけ恥ずかしい。そう言う微妙な気を発して居るタバサに対して小さく目礼を行うジョルジュ・ド・モーリエンヌ。
そして、そのまま――
「……って、オイ。何処に行く心算なんや?」
俺の話は未だ終わってへんで。
そのまま回れ右をして何処かに行って仕舞おうとする慌て者を呼び止める俺。
そもそも、コイツに逃げられると今、頭の中に浮かび掛けて居た予定と言うヤツがすべてパァになって仕舞う。
「未だ何か御用がおありですか?」
不満は……なさそう。振り返ったジョルジュはそれまでとまるで変わりのない表情でそう問い掛けて来る。
……と言うか、用がなければ呼び止めない。
「何、大した用事やない。二つ三つ、頼みたい事があるだけ、なんやけどな」
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