第三話 訓練です!
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いながら言う千冬の顔は、戦車に乗っていた時と比べると実に年相応の女の子の笑顔だった。その顔を間近で見ていた多代は、少し顔を赤らめた。
それから戦車回収車が到着し、多代たちが走行不能となったケ二と共に回収されたのを見届けた千冬は、チハに乗り込み小百合に倉庫に戻るように言った。
倉庫に着くと試合を見ていた莞奈や先輩たち後輩たち、多くの隊員、そして試合の審判をしていた西が待っていたのだが………
「よくやったぞ栗林!」
「栗林、やはりお前も知波単魂を持っていたんだな!」
「見事な突撃だったぞ!」
「先輩殿!とてもカッコよかったであります!」
千冬は、おもに先輩たちからお褒めの言葉をいただいていた。千冬はもともと待ち伏せという知波単学園で言うところの”卑怯な戦法”で試合を決するつもりだったが、多代が『栗林流』を知っており、待ち伏せに乗ってこないと判断し突撃したまでで、本来は先輩方に待ち伏せ戦法を見せたかった。
千冬が浮かない顔でそう考えていると……
「それは……どうも……」
「どうした?もっと胸を張れ!お前は知波単魂を我々に見せてくれたんだ!」
「いや……先輩方に見せたい戦い方ではなかったので………なんと言いますか……」
「そうなのか?しかしなぜ真正面から突撃しなかったんだ?」
「そんなことしたら奇襲にならないでしょう………」
「奇襲………?」
奇襲という言葉に多くの隊員が首を傾げた。勿論その中に莞奈たちは含まれていない。その光景を見て思わずため息をついてしまった千冬は、何かを決意したかのように首を傾げた隊員たちに向けて言った。
「明日から私が練習の指揮を執ります!よろしいですか!?西隊長!?」
「えっ!?いや……なぜ急に栗林が練習の指揮を執る……」
「い・い・で・す・ね!?」
「わ、わかった……」
急な言葉に西は戸惑いながらも理由を聞こうとしたが、大声で迫りながら言う千冬の顔を見て思わず頷いてしまった。
千冬が練習風景を見ながら昨日の出来事を思い出していると隣にいた小百合が話しかけてきた。
「姐さん、大丈夫っすか?ボーっとして?」
「大丈夫だよ、少し考え事をしていただけだから……」
「それならいいですけど……ところでこの練習っていつまで続けるんすか?」
「んー……じゃあ……あの静止目標に各車が、行進間射撃で一発でも命中させれたら、次は座学をやろうかな?」
「わかりました!じゃあ、あたしは会議室で準備してきますね!」
そう言うと小百合は監視塔からはしごを使い降りて、校舎に向かって走って行った。
「……心配だから真衣も行ってくれる
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