暁 〜小説投稿サイト〜
風魔の小次郎 風魔血風録
36部分:第四話 白い羽根の男その五
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
がそれでもいいと言ったのを聞いてまた顔を顰めさせる。
「貴様、それでも」
「陽炎っ」
 また壬生が彼を咎める。しかし妖水はここでまた言うのだった。
「俺は別に権力争いとか指揮官とかは興味ないんだよ」
「どういうことだ、それは」
「夜叉姫様がおられ」
 やはり夜叉としてこれは絶対だった。
「それで闘えればそれで満足なんだよ」
「ふん、それだけしかないのか貴様は」
「少なくとも貴様みたいに参謀の座にこだわるつもりはないさ」
「何っ、言わせておけば」
「それにだ。陽炎」
 激昂しかけ木刀を強く握った陽炎にまた言う。
「貴様もうかうかしているとやられるぞ」
「むっ」
「あの不知火がやられたってことは。よく考えるんだな」
「それはわかっている」
 陽炎とてプライドがある。それがこう言わせていた。
「この陽炎の目を甘く見るな」
「だといいがな。それにしても」
 ここで陽炎から視線を離し道場の天井を見上げる。そのうえでヨーヨーを右手で弄びながら呟くのだった。
「退屈だねえ。どうにも」
「貴様の退屈なぞ知るものか」
 陽炎はこう言い捨てると道場を後にした。そのうえで何処かへと向かうのだった。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ