36部分:第四話 白い羽根の男その五
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がそれでもいいと言ったのを聞いてまた顔を顰めさせる。
「貴様、それでも」
「陽炎っ」
また壬生が彼を咎める。しかし妖水はここでまた言うのだった。
「俺は別に権力争いとか指揮官とかは興味ないんだよ」
「どういうことだ、それは」
「夜叉姫様がおられ」
やはり夜叉としてこれは絶対だった。
「それで闘えればそれで満足なんだよ」
「ふん、それだけしかないのか貴様は」
「少なくとも貴様みたいに参謀の座にこだわるつもりはないさ」
「何っ、言わせておけば」
「それにだ。陽炎」
激昂しかけ木刀を強く握った陽炎にまた言う。
「貴様もうかうかしているとやられるぞ」
「むっ」
「あの不知火がやられたってことは。よく考えるんだな」
「それはわかっている」
陽炎とてプライドがある。それがこう言わせていた。
「この陽炎の目を甘く見るな」
「だといいがな。それにしても」
ここで陽炎から視線を離し道場の天井を見上げる。そのうえでヨーヨーを右手で弄びながら呟くのだった。
「退屈だねえ。どうにも」
「貴様の退屈なぞ知るものか」
陽炎はこう言い捨てると道場を後にした。そのうえで何処かへと向かうのだった。
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