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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二十八話 第六次イゼルローン要塞攻略戦
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と真実が見えなくなるのかもしれない。自分の都合の良いようにしか見えなくなる……、俺も気を付けなければ……。
「ローゼンリッターが要塞内に突入しました。続けて第三混成旅団が突入します」
「うむ、イゼルローン要塞攻略も間近だ!」
ロボス元帥が顔面を紅潮させて叫んだ。こちらを見て嘲笑うかのような表情をしている。馬鹿が、問題はこれからだろう。
艦橋の中で興奮と無縁なのは六人だけだ。グリーンヒル参謀長、ヴァレンシュタイン、ヤン、俺、そしてバグダッシュとミハマ大尉だ。俺達は皆スクリーンを見ているがミハマ大尉はどちらかと言えば俺達を見ている。もしかすると心配しているのかもしれない。要塞が落ちたら俺達の立場が無いだろうと。
ローゼンリッターが要塞内に突入してから三十分が経った。艦橋が陸戦隊からの朗報を待つ中、陸戦隊から連絡が入った。
「ローゼンリッターから連絡です」
「どうした」
「我、敵の伏撃を受けり! ヴァーンシャッフェ准将、戦死!」
「!」
瞬時にして艦橋の空気が凍った。皆顔を見合わせている。
「馬鹿な、伏撃など有り得ん! 苦し紛れの反撃ではないのか!」
ロボス元帥が顔を引き攣らせて問いかけたが誰も答えられない。伏撃、つまり待ち伏せされた。しかもローゼンリッターの連隊長が戦死している。損害は決して小さいものではあるまい。苦し紛れの反撃と断言できるのか……。周到な用意をしていたとみるべきではないのか。
グリーンヒル参謀長は表情を強張らせている、ヤンも顔面が蒼白だ。そしてヴァレンシュタインは目を閉じていた、表情は硬い……。
「ローゼンリッターは現在シェーンコップ大佐が指揮、後退中とのことです」
「後退だと! 馬鹿な、後退など認めん!」
「敵の指揮官はオフレッサー上級大将! リューネブルク准将!」
オフレッサー上級大将! リューネブルク准将! 偶発的な遭遇戦じゃない。明らかに敵は十分な用意をして待ち伏せをしていた。自分の顔が強張るのが分かった。参謀達も皆顔を引き攣らせている。
「元帥閣下、敵は十分な用意をもってこちらを待ち伏せていました。我々の作戦は見破られていたのです。陸戦隊の撤収を進言します」
静かな声だった、だがヴァレンシュタインの撤退進言は艦橋をさらに凍り付かせた。
「ば、馬鹿な、そんな事は有り得ん。ミサイル艇の攻撃は成功したではないか。何故待ち伏せが出来るのだ。そんな事は有り得ん」
ロボス元帥の声が震えている、顔面は蒼白だ。
「帝国軍は宇宙艦隊をミュッケンベルガーが、陸戦隊をオフレッサーが指揮しています。ミュッケンベルガーはこちらに作戦に気付かなかった。しかしオフレッサーは気付いたのです」
「何を言っている……、オフレッサーが気付くなど有り得ん。あの野蛮人に我々の作戦案を見破
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