第4章:日常と非日常
第100話「平穏な日々」
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「聞いてるぞ、本人が。」
「え...?...げっ。」
「“げっ”って何よ!“げっ”ってー!!」
その好きな相手が、こいつだ。時間があれば別クラスなのに会いに来るくらいだ。
僕が言うのもアレだが、さっさとくっついてほしい。
「(ま、こういう光景が“日常”って感じがして、いいんだけどな。...最近は、そんな日常からかけ離れてたし、偶にはこういうのもいいだろう。)」
昨日が昨日なだけに、改めてそう思えた。
「優輝君、椿ちゃんと何をしてたのか、聞かせてもらうよ。」
「...私も、気になる...。」
「そのためだけに一緒に帰ろうと言ったのか...。」
普通に学校は終わり、放課後。
司から一緒に帰ろうと提案され、乗ってみると昨日の事で言及された。奏も同伴だ。
「...ま、あまり人には聞かせられないから、下校中に話すのはちょうどいいな。」
防音の霊術でも使えば他の人に聞かれる事もないし。
「さて、聞かせてもらうよ。」
「...何度も言うが、あまり言いたくないんだが...。」
観念して話す事にする。
「前提として、これは女性の精神状態だったからこそした事であって、今はする気にはならないからな?椿にも悪いし。」
「そういえば、“恥ずかしい目”って...あの、大体察せたんだけど...。」
話す前から二人ともある程度は察したみたいだ。
察してたのは昨日からだけど、さらに確信が深まったようだ。また顔赤くしてるし。
「まぁ、やった事は“繋がり”を深くする事だ。“繋がり”とは、魔力のパスでも霊力のパスでも同じことが言えるし、はたまた“人間関係”でも言える。簡単に言えば、概念的な側面から“繋がり”を強くしたんだ。」
「建前で誤魔化しているように聞こえるけど、あの椿ちゃんの様子からして...。」
「...“関係”という“繋がり”を深くするために、“そういう事”をした...。」
...うん。二人の視線が痛い。途轍もなく痛い。
「...キスによる体液交換...それも霊力を込めて...。」
「.....やっぱり.....!」
「むぅ......。」
ああ...二人とも不機嫌に...。
まぁ、あの時は女同士とはいえ、いきなりキスしたんだもんなぁ...。
「あの時は女同士だったから...って、言い訳はダメだな...。...家に帰ったら、ちゃんと話をしなきゃなぁ...。」
「...今、椿ちゃんはどうしてるの?」
「葵が見てくれてるけど....。僕に対しては、碌に会話してくれないかな。嫌われているって程でもないから、ちゃんと話し合えば何とかなる...はず。」
女心はよくわからない
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