第4章:日常と非日常
第100話「平穏な日々」
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おはよう。」
しばらくして、僕は教室の扉を開け、自分の席に座る。
「(...どうやって機嫌取ろうかな...。)」
結局、椿とは碌に口を利けなかった。
話しかけようとしても、露骨に避けられるし、凄い睨まれてしまう。
どうやら、無意識下で行っていた時の事も少しばかり覚えているみたいだった。
...ただ、花も咲き乱れていた事から、恥ずかしさの気持ちが勝っているだけで、ただ嫌がっているだけではないのは理解できた。
椿にとって、嬉しい事でもあったらしい。
「あ、優輝君。」
「おはよう、司。」
ふと、そこへ司が来る。
男に戻ったのを見て、少し驚いているみたいだ。
「...元に戻ったんだね。」
「朝起きた時にな。ただ、椿が...。」
「...結局、どうなったの?」
他の人に聞こえない程度の声量で、司に軽く説明する。
「....と言う訳で、結局葵を通してじゃないと碌に会話できない。」
「それは...椿ちゃんも恥ずかしいだろうね...。」
まぁ、威嚇してくる子猫みたいなもので、可愛らしいものだけどな。
別に、嫌われた訳じゃないし。
「でも、椿ちゃんがああなるなんて...ホントに何したの?」
「...ちょっと、ここでは言えないかな...。」
「......むー...。」
さすがにキス...それも相当アレだったから、そのまま伝える事はできない。
ただパスを強くするためだけで、別に変な意味じゃない...と言う方が失礼か。
「(あの時は女だったから、余計に抵抗がなかったんだよなぁ...。)」
今だと異性だから抵抗があるからな。
「...また後で聞かせてよね?」
「了解。時間があればな。」
司はそう言ってから一度自分の席に行く。
...少しだけどこか不機嫌そうだったけど....椿の事かな?
「よっす優輝。まーた羨ましいなこの野郎!」
「っと、なんだよ聡。別にいつもの事だろう?」
いつもの男友達である聡が、肩を組むようにしながら僕に言う。
「“いつもの事”にできるのが羨ましいんだよ!」
「言っても、親友だしなぁ...。というか、お前にも幼馴染がいるだろう?彼女だって容姿が悪い訳ではないのに、どうしてそこまで司にこだわるんだよ。」
「玲菜はただの幼馴染だし、聖奈さんは学校でも大々的に有名だからな。知名度って奴の差だよ。...多分。」
「おい。」
玲菜は、聡の幼馴染らしく、僕も何度か顔合わせした事がある。
学校では数少ない魅了が効かない人で、容姿も悪くない。
ちなみに、魅了が効かない事から分かる通り、彼女には好きな人がおり...。
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