第四百二十五話
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第四百二十五話 ミルクと錬金術
セレニティとアルテミスにだ、亜美は錬金術の道具を出してそうしてだった。こんなことを言ったのだった。
「これから面白いもの作るで」
「はい、古代の乳製品ですね」
「それをですね」
「作るわ、三つな」
一つではなく、というのだ。
「蘇、酪、醍醐な」
「そうですね、しかし」
「その三つが一体何かです」
二匹はここでだ、首を傾げさせて自分の主に問うた。
「ご主人は承知ですか?」
「一体どういったものか」
「一応な」
これが亜美の返事だった。
「蘇はチーズ、酪はバター、醍醐はヨーグルトやで」
「そうなのですか」
「そうしたものですか」
「何か本によってちゃうけれどな」
書かれている内容がというのだ。
「コンデンスミルクやら何やらでな」
「違っていたりもしますか」
「そこは」
「そやねん、けれどまあそういうことにしてな」
蘇はチーズ、酪はバター、醍醐はヨーグルトということにしてというのだ。この辺り強引だが亜美個人で決めたのだ。
「作ることにしてん」
「左様ですか」
「そういうことですか」
「そや、ほな作るで」
それでというのだ。
「これからな」
「まあ何はともあれですね」
「作っていきますか」
「そうするわ、チーズやバターは作ったことがあるし」
それにヨーグルトもだ。
「あの時のまま作っていくで」
「ではお手伝いさせて頂きます」
「我々も」
使い魔として、というのだ。
「そうさせて頂きます」
「いつも通り」
「頼むで、楽しい魔法の実践や」
錬金術、亜美が一番好きで得意な魔法をというのだ。
「安全第一でいこな」
「はい、ではそこはですね」
「よく気をつけて」
「そして怪我なくですね」
「最後までしますね」
「そうしてくで」
こう言って実際にだった。
亜美は怪我がない様に慎重に準備をはじめた、用具を然るべき場所に置いてだ。そのうえで今回作るものを作っていくのだった。
第四百二十五話 完
2017・3・3
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