暁 〜小説投稿サイト〜
オズのアン王女
第十一幕その十三

[8]前話 [2]次話
「乗馬は下手かしら」
「脚が短いっていうのかしら」
「そう思ったけれど」
「そうかしら」
 ナターシャは恵梨香のその自信なさげな言葉に目を瞬かせました。
「別にそうは思わないけれど」
「だといいけれど」
「恵梨香は別にね」
 神宝も恵梨香に言います。
「脚短くないよ」
「そうだよね、皆背とバランスいいよ」
 カルロスは皆の背と脚の長さを比較して見て言いました。
「恵梨香もそんなに短くないよ」
「皆脚はすらりとしてるしね」
 ジョージも皆の脚を見て言います。
「短くもないし」
「気にし過ぎかしら」
「ひょっとして日本人は脚が短くて曲がってるとか?」
 所謂O脚です。
「その言葉気にしてるの?」
「ちょっとね」
「今そうした日本人かなり少なくなったんじゃないから」
「そうかしら」
「少なくとも恵梨香は普通だよ」
 脚の長さも形もというのです。
「そんなに気にすることはないよ」
「そうだといいけれど」
「私もそう思います」
 大尉も言います、見れば大尉の脚が一番長い感じです。
「皆さん適度ですよ」
「そうですよね」
「はい、決して短くはないです。むしろ恵梨香さんもです」
 気にしている彼女もというのです。
「長い方かと」
「そうですか」
「はい、本当に」
「気にしなくていい位よ」
 グリンダも恵梨香に言いました、穏やかな声で。
「皆、恵梨香もね」
「それじゃあ」
「ええ、乗馬の時もそのままね」
「普通に乗れますね」
「そう出来るわ」
「それなら」
 恵梨香もようやくほっとしました、脚のことを言ってもらって。そうしたお話をしつつ皆で王宮に戻るのでした。
 そしてお昼御飯を待ちますがカリフ王はここでアンに言いました。
「そういえば王女は馬は」
「乗馬ね」
「されているか」
「ええ、牧場でよくね」
「そうなのか」
「身体を動かすことは好きだしこの国もお馬さんが増えたから」
 だからだというのです。
「乗馬も楽しめる様になったからね」
「それでか」
「最近は乗馬もしているわ」
「そうなのだな」
「これが楽しいのよ」
「そうか、我々にはないことだな」
 ノーム族にはというのです。
「乗馬は」
「ああ、そういえばそうね」
「馬には縁がない」
 とんと、というのです。
「我々はな」
「そうね」
「うむ、しかし機会があればな」
「ノーム族の人達もなのね」
「嗜んでみるか」
「何でもチャレンジね」
「その精神でな」
 そうしようかというのです。
「そう思った」
「いいことね」
「脚は短いがな」
 このことも笑って言うカリフ王でした、そうしたことをお話しながら今はお昼御飯を待つのでした。運命のその時を。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ