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オズのアン王女
第十一幕その九

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「休ませる様にしているの」
「働いてばかりはよくないからね」
「そうなの」
「けれどこうした人は」
 トトもお口を使って色々なおしたりしています、彼も自分は何もしないということはしないのです。ドロシーと一緒にそうしています。
「中々休まないよね」
「そうなの、けれどコツがあって」
「休んでもらう?」
「それをやっているの」
「そうなんだ」
「そうしているからね」 
 だからというのです。
「大丈夫よ」
「大佐も休んでいるんだね」
「そうなんだ」
「私は休む必要はないですが」
「私もーーです」
 大尉とチクタクは身体の構造上でそうなのです、かかしや木樵と同じく。
「そうしたことはです」
「必要ないーーですーーが」
「やはりです」
「人の身体ーーでは」
 休むことも必要だというのです、皆はグリンダに大佐を休ませるコツも聞こうとしましたがここで、でした。
 なおす作業が終わってです、皆で一緒に林檎園に行きました。そうしてある林檎の木の中に一つでした。
 赤と青、紫に黄色、緑のオズの国のそれぞれの色が斜めのラインで奇麗に入っている林檎がありました。その林檎を見てです。
 ジョージがです、目を見張って言いました。
「この林檎が」
「ええ、間違いないわね」
 グリンダはジョージの横から答えました。
「この林檎がね」
「ノーム族の卵アレルギーを消してくれる」
「その林檎よ」
「じゃあこの林檎を取ってですね」
「中の種を撒いて魔法をかければね」
「すぐにですね」
「林檎は増えるわ」
 それこそ瞬く間にというのです。
「そうなるわ」
「ふむ、ではだ」
 カリフ王も五色の林檎を見ています、そうしつつ言うのでした。
「まずはこの林檎を食べてだな」
「卵を食べてみるのね」
「そうしてみるか」
「あの、ひょっとして」
 ジョージはカリフ王の言葉を聞いてびっくりしてです、彼に問い返しました。
「カリフ王ご自身が」
「林檎と卵を食べてな」
「証明してみせるんですか」
「そうしないとわからないではないか」
「あの、ですが」
 ジョージはカリフ王に怪訝なお顔で言いました、彼の言葉を聞いて。
「そうしたら」
「余が、だな」
「若しも林檎の効果がなかったら」
「卵アレルギーに苦しめられるな」
「そうなりますけれど」
「王である余が自らそうしなくてどうする」
「率先してですか」
 ジョージも言います。
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