第二話 対決です!
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車では不可能に近いとされるが全国大会でも数人の砲手しかできないとされている。 しかし千冬はそれをやってのけている。命中はなくともすべて至近弾であり、しかも森の中から発砲しているので木と木の隙間から狙っていることになる。
「そろそろ森から出るな……小百合、森から出たらケニに向かって突っ込め」
「了解」
「真衣は機銃を撃ちまくれ」
「了解」
「莉乃は装填早めに」
「了解」
千冬は全員に指示を出すと照準器の中に映るケニをじっと見つめ引き金を引いた。
「くっそ!何であんなところから撃てるんだよ!?」
多代は毒づくように言いながら森の中の発砲炎めがけて砲撃をしていたがまったく当たる気配がない。逆に飛んできた砲弾はすべて至近弾となっており着弾するたびにケニの車体を揺らしていた。
「多代ちゃんがんばれ!多代ちゃんだけが頼りだよ!」
「うるさい!友永!しっかり避けろよ!こんなに揺れてたら当てられない!」
「そんなこと言ったって、ジグザグに走ってんのに見越し射撃してくる敵さんに言ってよ!」
「……装填よし」
言い合いをしながらもお互い手を動かしながらやるべきことをやっていた。
いつ出て来る?と考えながら巴が装填を終えたので多代は砲撃したが命中せず手前の木に命中し吹き飛ばした。
「山口さん、敵、出て来る」
「えっ?」
「突撃!」
千冬が言った瞬間、小百合はギアを全開にしスピードを上げ、勢いよく森から飛び出しケニに向け突進していった。突進を開始した直後から真衣がケニめがけて機銃を撃ち始めた。
ケニが撃ってきたがチハのすぐ近くに着弾しただけだった。
「これで終わりだ!」
千冬が言いながら引き金を引き砲弾が放たれた。
砲弾はまっすぐケニの側面へ向かい、ケニが大きく揺れた。
そしてケニの砲塔から白旗が上がった。
『九八式軽戦車走行不能、よって九七式中戦車の勝利!』
西の声を聴くと千冬は制服のポケットにしまっていた眼帯を取り出し右目に付けた。
「楽しかったね!」
いつもの笑顔になりながら千冬は言った。
その笑顔を見た三人も笑顔になった。
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