暁 〜小説投稿サイト〜
Muv-Luv Alternative 帝国近衛師団
第七話
[3/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
一部の者は月詠の事を鬼子と呼んでいるらしいが、あの態度が原因だな」
斑鳩の言葉にすんなりと納得した正仁。あの態度とは、真衣には武家として当然あるべき政威大将軍や五摂家への忠誠心は一切ない。赤の家柄である月詠家の長女として生まれ、徹底した教育が施されたにもかかわらず、そのような感情は一切身につかなかった。正仁の目から見ても異常に見えた。それを見てきた結果だろうか真衣の妹とは、非常に真面目で、将軍と五摂家、特に煌武院に対する忠誠心が厚いそうだ。
「なるほどな。強さの理由は分からんが我々が束になっても勝てないことは改め分かった。しかし……」
「どうした?」
不満そうな顔になった正仁に斑鳩が問いかける。
「この訓練、意味があるとは思えない」
「なに?」
「貴様ら武家ならいざ知らず剣道もやったことの無かった素人である私が果たして刀を握って人を切れるのか?それが戦術機ならば長刀を持ってBETAを切れるのか?私はうまく切れないと思う。あんな扱いにくい兵器を万人が使いこなせるとは思えない。絶対に使えない者が出て来る。もっと手軽で誰でも使い方が分かり、強力な武器を使った訓練の方が良い」
正仁の持論を黙って聞いていた斑鳩だったが、言われて気づいた。刀がどれだけ使いにくい兵器なのかを。幼い頃から鍛練を積んでいる武家ならば、刀の間合いを把握することも、どのように攻撃すれば良いのかも分かっている。しかし正仁は全く知らなかった。最近になってやっと間合いが掴めてきたばかりである。養成学校に入学し、一年やっていてこれなのだから、徴兵された人間たちではもっと時間がかかるのは明白である。
戦術機の装備の一つである74式近接戦闘長刀を用いた訓練でも同じく時間が掛かるだろう。刀はけして万人向けの武器では無かった。
「ではどんな武器なら万人が使いこなせると思う?」
「ん……。手斧なんかはどうだ?ただ振り下ろすだけで標的を沈黙させれるし、どんな国でも斧やそれににたような物はあると思うが?」
「手斧か……」
案外良いかも知れない。そう思った斑鳩だったが
「やはり私は刀が良い。使い慣れているからな」
そう答えを返した。
そしてその答えにもの凄く腹が経った正仁だったがあることを思い付いた。
(もしかしたら真衣をこちら側に引き込むことが出来るのでは……)
そんなことを頭の片隅で考えつつ、真衣とレグルスのじゃれ合いを見ていた。
広島県 呉市 呉海軍工廠 第39番格納庫兼MS開発場
主任研究室
部屋にはカタカタとパソコンのキーボードを叩く音と、鉛筆で何かを書いている音が交互に響いていた。
その音の発生源である一人の少年以外部屋には誰もいない。
時折、パソコンのキーボ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ