第二話
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かな?」
その声にはペルシアに向けていた優しい声ではなく、無機質な声だった。
「見たことのない服をしているが・・・帝国の者か? それとも正義の味方気取りか?」
「帝国? そんなもん俺は知らんし正義の味方じゃない。ただ、お前らみたいな外道が嫌いなだけだ」
彼女を庇うように立つと、ニヤっと笑みを浮かべる。
「まさか貴様、自分一人だけで俺たちと戦うってのか?」
「そうだが、何か問題あるかな?」
俺がそう答えると、心底可笑しいといった感じで盗賊どもが笑い出す。何を笑っているんだか・・・。
「ハハハハハ! ふざけたことをぬかす男だな。これだけの大人数をたった一人で相手をすると本気で言っているのか? 悪ふざけも体外にしろッ!」
「俺はマジなんだぜ? お前らザコは俺一人で十分だ。早くかかってこいよ」
挑発し手招きすると、憤怒の表情になり襲いかかってきた。
「なら、貴様が死ねーーッ!!」」
そう叫ぶなり槍と剣を持った二人が斬りかかってくる。袈裟斬りから横なぎ、突きと連続で攻撃をしてくる剣戟を躱し顎を蹴り上げる。頭部から落ちた男は、顎が砕けちり死んでいた。
横から突いてきた槍を掴み叩き折り先の方を喉めがけて投げつける。槍は喉を貫き穴を開ける。
「死ねぇーーーッ! グフッ!?」
不意打ちのつもりで背後から襲いかかってきたが、声を出すバカがいるか? 俺は半歩横にずれ腕を掴み地面に投げつけ、緩んだ手から剣を奪い取り喉に突き刺し、隠れて弓を放とうとしている奴めがけて剣を投げつける。剣は高速で回転し、弓矢を持った男の眉間に突き刺さり倒れこむ。
「さぁ。死にたい奴はかかってこいよ」
何だこれは?
盗賊集団のリーダーは、突然と現れた一人の男に次々と倒されていく仲間を見て唖然としていた。
失敗を犯し全てを失った男は、盗賊になった。一人ではあったが徐々に仲間を集め、その人数は五十を超えた盗賊団を作り上げた。
略奪から殺人。今まで多くの悪行を働いてきた。そして今日も良いカモを見つけた。何時も通りに上手くいくはずだった。
なのに・・・たった一人の男に仲間が倒されていく光景を受け入れがたかった。こちらは武器を持ち、尚且つ元騎士団の奴もいる。それなりの戦い方ができる。だが相手は武器を持たず素手で盗賊団をなぎ倒していく。疲労は見られず笑みを浮かべ余裕を見せつけるほどだ。
「お、お頭ぁ!? アイツは強すぎるッ!! まったく歯がたたねぇよ!」
盗賊仲間が泣き声を上げる。今までカモってきた連中は商人または多少腕がある連中だった。ゆえに強い奴らは卑怯な手を使ってでも殺してきた。だがこの男は違う。不意打ちも通用せず、魔法も弓も当たらない。勝てないと悟った盗賊どもは武器を捨て我先にと一目散に逃げ出す
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