第01話 鉄華団
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「遅せぇんだよ!」
口元をにやけさせながら頭上を見上げた、その頭上をノーズピンクに塗装された機体を先頭とする三体のモビルスーツが跳躍飛翔する。
テイワズにて新規開発された新型モビルスーツ獅電だ。
「鉄華団一番隊いんや、流星隊いくぜオラああああああ!!」
モビルワーカーの戦線を飛び越して着地したノーズピンクに塗装された獅電。平べったいこん棒、船の櫂のような近接武装を取り出し、メインセンサーに近接戦闘用のカバーをかけ疾走する。
ブーストの勢いをのせ、敵の輸送車両前に立った敵モビルスーツへと殴り掛かる。敵が腰に携えていた大剣でそれを防ぐ。
散る火花、獅電がブーストを噴射し敵を抑え込む。
其処へ僚機の二機の獅電がマシンガンを斉射する。
「流星隊って……」
「俺らの事かよ……」
随伴の獅電を駆るデルマとダンテは揃って怪訝な声を上げる、なんだそのチンピラ風味なセンスのないネーミングセンスは、と言いたかった。
呆れが度を超すと意気がそがれるのを実感した瞬間だった。
「おし!モビルワーカー隊、今のうちに奴らを抑えるぞ!」
ユージンの号令、それに従ってモビルワーカーの車輪が回転を上げ、疾走する。
「今度こそケリつけてやるぜ!!」
ノーズピンクに塗装された獅電を駆るシノが意気を上げて怒鳴る。此奴らを逃し、残された家族や生活の糧を奪われた人たちを何度も見た。
そのたびに苦々しい思いを味わってきた、だがそれもここで終わらせる。
『餓鬼の相手はこっちもうんざりなんだよ!!』
接触通信、人間狩り部隊のモビルスーツからの声が届く。合わせて迫りくる大質量の脅威を回避するシノの獅電。
このパーソナルカラーのためのナノラミネート塗料は自腹なのだ、ダメージを受けて再塗装のたびに給料が減っていく。
何としても当たるわけにはいかない。
『ちぃ相変わらずすばしっこい!』
「はっ遅せぇだよ!この三代目流星号は先代流星号から阿頼耶識とデータを移植してんだ!てめぇらみたいに人を食い物にするだけの奴には負けねぇ!!」
双方の獲物、ナノラミネートアーマーに有効な大質量による攻撃。鋼の暴威が衝突し火花をまき散らす。
通常の砲弾による運動エネルギーの伝達ではナノラミネートアーマーの多層構造が衝撃を吸収し有効打撃とならない。
しかし、砲弾の数倍の質量をもつ大型の近接兵装が砲弾を大きく下回る速度で衝突した場合、その運動エネルギーの伝導速度の違いからナノラミネートアーマーは衝撃を吸収しきれず、通常装甲と変わらなくなる。
「ちぃ!硬てぇ」
舌打つシノ、阿頼耶識による認知能力の拡大と高速反応などの近接戦での大きなアドバンテージあるというのに攻めきれ
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