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風魔の小次郎 風魔血風録
31部分:第三話 忍の掟その九
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これは林彪自身もかわせるものではないとすぐに察知した。それで。彼は賭けに出たのだった。
「ならば・・・・・・俺も!」
「何をする気だ」
「知れたこと。俺も技を出す」
 これまでの屈んで刀を右に掲げたものから居合いにしたのだった。
「この林彪の技。今ここで出そう」
「御前の技。それは」
「これだ。行くぞ!」
 林彪の方から前に出た。
「風魔天狼牙!」
「なっ!」
 居合いで木刀を一閃させた。それは不知火の激しい突きの嵐をも退け彼を切ったのだった。一条の光が彼を貫いた。
 動きは止まった。両者は交差したまま動かなかった。だがやがて。不知火がその身体をゆっくりと前に倒していき崩れ去ったのだった。
「・・・・・・見事」
「貴様もな」
 林彪の左頬が切れそこからも血が出る。それだけでなくその長ランも所々が裂かれていたl不知火の攻撃による風圧からのものであった。
「あと一瞬遅かったならば倒れていたのは俺だった。しかも」
 林彪はさらに言う。
「急所を咄嗟に外すとはな。流石だ」
「俺も負けだ」
 倒れ伏して林彪に告げる。
「止めをさせ」
「悪いが。それはまた今度は」
「どういうことだ」
「俺にもその余力はない」
 そうなのだった。不知火の攻撃を受けた結果だった。
「だが俺の勝ちだ。これで夜叉八将軍は残り七人だ」
「くっ・・・・・・」
「少なくとも暫く出ることはできまい。違うか」
「そうだ。だが」
 不知火も言う。
「次に出て来た時は。覚悟しておけ」
「覚えておこう」
 勝利を収めた林彪は風と共に消えた。後には倒れ伏す不知火だけがいた。風魔と夜叉の戦いはまずは風魔に軍配があがったのだった。


第三話   完


                 2008・4・16

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