ブルネイ春のサンドイッチ祭り!その4
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込ませる。
「提督、五香粉ってなんだい?」
「五香粉ってのは、言ってみれば中国のミックススパイスだな。肉の臭み消しとか、菓子に練り込んだりとか……使い道は色々だな」
「ふ〜ん……何だか甘いような辛いような、変な匂いだね」
変な匂いってのはあんまりだな、初月よ。五香粉は桂皮(シナモン)、丁香(クローブ)、花椒、ウイキョウ、八角、陳皮(乾燥させたミカンの皮)等を粉末にしてミックスした物だ。……何、5種類以上あるって?五香粉と名前は付いてるが、必ずしも5種類じゃねぇんだよ。その辺は中国らしいというか何というか……。まぁとにかく、香り付けに使う物だと理解しといてくれ。
肉を漬けている間に野菜の下拵えも済ませるぞ。人参と大根は細めの千切りにして、砂糖、ニョクマムの残り、酢と混ぜ合わせておく。
「あれ、これって……」
「紅白なます?」
まぁ、大体それに近い味だと思って差し支えない。三杯酢ではないし、ニョクマム使ってるからアジアンテイストな感じだが、日本人がイメージするには紅白なますが一番近い味だ。
他の野菜も刻んでいくぞ。キュウリは斜め薄切り、生唐辛子も種ごと斜め薄切りにする。パクチーは葉を枝から外して、大きい葉はちぎって小さくしておく。
さて、肉を焼いていこう。タレが表面に付いている分焦げやすいからな、中火〜弱火の間でじっくりと焼こう。焼き色が付いたら漬けダレをフライパンに入れて、焼きながら絡めていく。タレがよく絡んだらフライパンから取り出し、斜めにスライスしておく。
フランスパンを用意し、横半分になるように包丁を入れる。その際、完全に切り離さずに二枚貝のように開閉できるようにする。開いた面にバター、レバーパテを塗って、キュウリのスライスを下半分の方に並べる。そこにマヨネーズを塗って、スライスした豚肉、紅白なます、生唐辛子、パクチーの順で挟んだら出来上がり。
「す、すごいボリュームだね……」
「そうか?野菜多めだから意外とペロリと食えるぞ。ホレ」
若干引き気味の照月をよそに、大きく口を開けてバインミーにかじりついている秋月。しかし、あのスレンダーな身体のどこに入っていってるんだ?浜風とか潮とかは、食べた分がちゃんと身体に還元されてるんだが……謎だ。あぁそれと、今回作ったのはバインミーサンドのほんの一例だ。本来このバインミー、屋台飯とかファストフードの類いでな。フランスパンを使っててレバーパテとベトナム風紅白なますを挟む以外は、具材の選択がかなり自由。ハムやベーコン、チキンを今回の豚肉の代わりに挟んだり、目玉焼きやチーズを足す、なんて屋台もある。アレンジは自分の好みで自由自在ってワケだ。
さて、レバーパテはそれ単品でもサンドイッチの具になる
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