第一話 眼帯少女と仲間たちです!
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つも真面目な二人だなぁ」と思っていた。
一人は右目に眼帯、しかし困っていようがいまいが率先して手伝い、もう一人は常に冷静沈着、下級生の質問に完璧な回答ができる豊富な知識を持っている、というのが西を含めた多くの学生が思っていたことであった。
そして何より伝統を愛している、そう思っていた。
会議が始まり数分後にこの二人があんな発言をするとは誰も予想していなかった。
会議が始まりまず議題に上がったのは「なぜ負けたか?」と言うものだった。
多くの学生が「接近できなかったから」「砲弾に当たったから」「気合が足りないから」などなどの色んな意見を発言していた。発言しているのは試合に参加した車長たちだけだった。
ようは、「接近すれば勝てた」と言いたかったらしい。
そういう発言ばかりが飛び出す中大きな声で千冬が言い、それに続くように莞奈が言った。
「先輩方は本当に勝ちたいと思っているのですか?」
「話になりませんな。こんな戦い方では負けるのは当たり前です」
一瞬、二人が何を言っているのかが理解できずにいる中で一番最初に二人の言葉を理解したのは西だった。
「どうしてそう思うんだい?」
西からの質問に千冬がまず答えた。
「敵を発見するなり突撃をしようとするからです。しかも真正面から突撃すればやられるに決まっているでしょう」
次に莞奈が答えた。
「正直に言えば試合をする前から分かりきっていましたよ。ただ突撃するだけの戦車で黒森峰に勝てるわけないでしょう?先輩方はそんなことも分からんのですか?」
「ふざけるな!貴様たちは我が校の伝統を馬鹿にするのか!?」
「そうだ!突撃こそ我が知波単学園の伝統!」
「突撃がない知波単など知波単ではない!」
「突撃以外に何があるというのだ!」
二人の回答に西と一人の車長以外すべての学生が反論し二人を怒鳴りつけるように言ったが、二人は顔の表情変えずに淡々と聞き流し、また発言した。
「西隊長、これが今の知波単です。こんな状況ではいずれ格下にも敗北するでしょう」
「伝統と言うよりも、もはや悪習ですな。こんなんでは勝てる戦も勝てませんよ」
火に油を注ぐような言葉にさらに激しく怒り狂う車長たちを尻目に千冬と莞奈は西をじっと見つめていた。
「諸君、一旦落ち着け!」
西が怒鳴るように言うと会議室は静寂に包まれ、改めて二人に質問をした。
「二人とも……何か考えがあるのか?」
「もちろんです西隊長」
「その考えとは何だい?」
千冬は深呼吸をしてからこう言った。
「徹底した防御戦術です。機動防御戦、待ち伏せ、撹乱戦、陣地防御、縦深防御、そして撤退などが挙げられます」
千冬が言ったの
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