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Muv-Luv Alternative 帝国近衛師団
第六話
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時が立ち、季節が変わり冬となった。
正仁とレグルスは、京都の斯衛軍衛士養成学校ではなく広島県の呉にその姿があった。
公務という名目で東洋一の軍港の一角に車で向かっていた。
車の外には戦艦や巡洋艦、駆逐艦、潜水艦などが停泊しているのが見える。それなの光景を目に焼き付けるようにじっと見てる正仁に対して、レグルスは落ち込んでいた。理由は真衣に会えない為であるので正仁は何も言わない。
なぜ二人が呉にいるのかというと、成仁に呼ばれたからである。
成仁から来た手紙には「出来た!」とただそれだけが書かれていたが、正仁には何が出来たのかすぐに分かり、急いで呉に来たのである。
海軍工廠の敷地内に入るもしばらく車は走り続けた。そして車はやがて一つの格納庫へとたどり着く。
車から降りた二人を出迎えたのは、成仁と数人の技師たちだった。
「久しぶりだね!兄ちゃん!レグルス兄!待ってたよ!さぁ早く行こう!」
「元気そうで良かったぞ成仁。嬉しいのはわかるが少し落ち着け」
「目の下真っ黒だが大丈夫なのか?」
興奮気味の成仁に不安がる二人だったが、何故か成仁に手を引かれながら格納庫の奥へと進んでいった。
「これが……モビルスーツ……」
目の前に立っている巨人を見ながら正仁は呟いた。そして見た感想は困惑であった。成仁が書いたモビルスーツの設計図とは大きく見た目が異なっていたためである。
正仁と同様にレグルスも何と言っていいか言葉を探している状況である。
確かに目の前の巨人は人型であり、戦術機並みの巨体で、撃震以上に太く頑丈そうな腕部、外部からのダメージを防ぐための分厚い装甲がなされているが、二人の目には実戦で使える物には見えなかった。
むき出しのエンジンを背負い、戦術機のような可動兵装担架システムもなく、跳躍ユニットすらなかったからだ。
「なあ、成仁」
「なに?兄ちゃん?」
「これ、実戦に使えるのか?」
この正仁の疑問に成仁は即答した。
「使い物にならないね!こんなポンコツじゃあまともに戦えないよ」
笑顔で答えた。だがその答えを聞いた正仁とレグルスはますます分からなくなった。それが顔に出ていたのか成仁がそれについて話し始めた。
「この機体はあくまで試作一号だよ。なんのノウハウもないところからいきなり戦闘マシーンを造るなんてできないし、造れたとしてもそれは良い性能を発揮しない。だからまずはノウハウを獲得するためのお試しとして造ったんだ。で、ついでに試作だけじゃもったいないから作業機械としての能力を付けた結果……」
「こうなったと……?」
「そういうこと!」
なんとなく納得ができた二人、それを知って改めて巨人を見ると何となくカッコよく見えてきた
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