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Muv-Luv Alternative 帝国近衛師団
第六話
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正仁の武家嫌いという噂を確かめるためと興味本位で聞いたが、正仁はこう答えた。
「ああ、大嫌いだ。一人残らず根絶やしにしたいぐらい嫌いだ」
たいした声の大きさではなかったが偶然にも、耳がよく、近い位置で食事をしていた山城が聞いてしまった。
山城は立ち上がり正仁に向かって怒鳴った。
「貴様!斑鳩様に何たる口の利き方か!謝罪をしろ!」
怒鳴られた正仁もいきなりの事で驚いたが、斑鳩と真壁の方が驚いていた。特に真壁は顔が白くなるほどである。たかが外様武家が皇族相手に怒鳴ったのだから仕方がないとは言える。
斑鳩でさえも山城の発言を止めようとしたが、それは出来なかった。
「謝罪なんぞするものか!嫌いなものを嫌いと言って何が悪いか!ついでに言うと将軍も元枢府も要らん!」
正仁が言い返してしまったからだ。言い返された山城も顔を赤くしながら反撃する。
「貴様ぁ!将軍殿下まで愚弄するか!この逆賊が!」
「逆賊だとぉ!?皇帝陛下の臣下である私が逆賊だとぉ!?では貴様は朝敵だ!陛下には向かう賊だ!」
「何だとぉぉ!?」
その後、お互い手を出そうとしたのでレグルスや斑鳩などに止められ、なんとかその場は収まったが、事あるごとに山城は正仁に対し謝罪を要求し、襲い掛かっている。
そして今に至る。
「謝罪しろ!」
「嫌だ!」
相変わらず走りながら怒鳴り合っている二人だが、その二人よりも遙か先を走っている二人の男女がいた。
「月詠さん!結婚してくださぁぁぁぁぁい!!!」
「嫌や」
「じゃあ婚姻届けに名前を書いてくださぁぁぁぁぁい!!!」
「それも嫌や」
「では僕と夫婦の契りの誓約書にサインをしてくださぁぁぁぁぁい!!!」
「嫌や。それ婚姻届けと一緒やろ」
「ならば―――」
もはや見慣れた光景の一部になりつつあるレグルスが真衣のあとを追う姿だった。いつものようにレグルスの求婚をニコニコと笑いながら拒否する真衣。それでもめげないレグルス。このやり取りは教官も何度も注意したがレグルスは止める気が全く無いのでもう諦めた。
しかも毎回この二人が最先頭で走り続けて、教官も文句が言えないほどであるため黙認している。
「改めて見るとあの四人の体力は異常だな」
「ええ、そうですね」
先頭を激走している四人とは違い、しっかりと教官の指示のもと走っていた斑鳩と真壁は若干呆れながら呟いた。
しかしながら斑鳩は心底楽しそうな笑みを浮かべている。
「こんな面白い者が傍にあるとは、幸運だな」
そう笑いながら斑鳩は言った。
このようなことが毎日起こり、喧嘩もしながらそれなりに充実した日々を送っていった。
そして
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