第一話 悪の色
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を喪った鉄華団は内側から崩壊していったと歴史の教科書では記されている。
もし、本当に。
その鉄華団の、15年前にギャラルホルンの手によって滅ぼされたテロリストの統率者本人だったら。そして、そのオルガ・イツカが生きていたのなら……。
「ギャラルホルンの象徴。
ガンダム バエルは貰っていくぞ。コイツは俺を選んだ。そして、お前達ギャラルホルンはバエルに見放された」
オルガ・イツカと名乗った男は声を荒げ。
「俺は、お前達を許さない。
これは『俺達』からの宣戦布告だ!」
ガンダム バエルは更に高度を高め。
その存在を知らしめるように浮遊する。
「なんて、高さだ……」
その高度に、唖然する。
ギャラルホルンの最新鋭モビルスーツでも、あの高さまで飛翔することは敵わないだろう。
300年前に喪われたロストテクノロジーは現在の科学技術を凌駕すると言われているが……。
「アレが、ガンダムフレームの力……」
圧倒的な存在感。
観る者を魅了させ、他者を屈服させる。
王者の風格を纏い、弱者を寄せ付けない荒ぶる獣。近付くことが恐れ多い。若い兵士は、自分の使命を忘れ、ただただ王者を眺めていた。
────ガガガッ、ガガガッ!!
突如、モビルスーツのライフル音が響き渡った。
「アレは……グレイズ、」
今では、現役を退いだ二世代前のギャラルホルン主力機『グレイズ』
汎用性が高く、十七年経った今でも各地のギャラルホルン支部で愛用されており、その機体性能は信頼できる。
だが、あの高さのモビルスーツ相手に戦闘を挑むのは無謀と言えよう。
────ガガガッガガガッガガガ!!!
ライフルの弾丸は届かない。
仮に弾丸が届いたとしてもモビルスーツの装甲を傷付けることは不可能だ。
モビルスーツの装甲は特殊な塗料でコーティングされている。その塗料はモビルスーツのカラーを彩るだけでなく、エイハブリアクターが稼働中に発するエイハブ粒子に反応し装甲の強度を上げる。それにより、モビルスーツは絶対的な防御力を有しているのだ。
近距離射撃で無い限り、モビルスーツの装甲は破れない。だが、グレイズはライフルを乱射する。
ガンダム バエルは浮遊したまま動かない。
当然だ。当たっても機体にダメージはないんだ。避ける必要が無い。
「無駄な事を、」
グレイズはスラスターをフル稼働させ、ガンダム バエルに向かってジャンプした。
無論、ジャンプした所でガンダム バエルの足元にすら届かない。
だが、距離を詰めたことより。
「ほう、」
ガンダム バエルにライフルの弾丸が届いた。
損傷は無い。だが、装甲に傷を付けることが出来た。その事実はオルガ・イツカを名乗る男を少し、ほんの少し驚かせた。
「まさ
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