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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第三の牙
第一話 悪の色
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 いかにガンダムフレームでも対モビルアーマー用の鎖で固定されていては動くことすらままならないだろう。
 ────ッ。
 一瞬、バエルを固定する鎖が揺れた。
 ────ピッ。
 一瞬、バエルを固定する鎖が波打った。
 ────ピキッ。
 バエルを拘束する鎖の一本が弾け飛んだ。
 「いいぞ……もっとだ」
 片目から血を流す男。
 阿頼耶識のフィードバックの影響だ。
 阿頼耶識を通じてモビルスーツの外部状況を脳で処理しているのだ。当然と言えば当然の結果だろう。むしろ、男はこの程度でコイツを動かせるなら問題ない、とさえ思っている。
 「暴れろ」
 その一言を終えた直後。
 ガンダムバエルを固定していた鎖は全て断ち切られた。
 バエルの両手には二本の剣が握られている。どうやら、頭が判断するより直感でバエルを操作し鎖を断ち切ったようだ。
 「これが……ガンダムフレーム」
 その力は圧倒的。
 人の力ではなし得ない禁忌の力。
 己の躰を動かすより軽く、素早く肉体『モビルスーツ』に一瞬、戸惑いを感じるが。男は一度、深呼吸し……右眼を閉じた。
 どうやら目を閉じていても、モビルスーツのメインモニターは脳内で投影されるようだ。目を閉じているのにモビルスーツの見ている景色が脳裏に映る。
 変な気分だ。
 片目は閉じているのに見えている。
 「さて、ぶっ壊すか」
 ガンダムバエルは二本の剣を構え────。
 
 十五年の封印を断ち切った。
 
 
 
 
 
 「────き」
 
 「────つき」
 
 「────かつき」
 
 「────あかつき」
 
 「────アカツキ」
 
 「────暁!」
 
 その呼び掛けに向くりと起き上がる。
 左右を見渡すと俺を見てくすくすと笑っている奴らと「何度も起こしたのに……」と後ろの席で呟いている少女。そして、俺の前で立ち尽くしているオッサン。
 「あ、先生。おはようございます」
 「おはようございます、じゃない!
 お前は何度、注意すれば真面目に授業を受けるんだ!」
 「はぁ、すいません」
 一応、先生に謝っておく。
 だが、その謝り方が気に食わなかったのか。
 「お前はそう言って何度も何度も!真面目に授業を受ける気があんのか!」
 「いえ、全然」
 「lalalalalalala!!
 ────ッ。もういい、座れ……」
 「はーい」
 はぁ、と溜め息を付きながら先生は教卓に戻っていく。先生も懲りないなぁ。何度も何度も俺を叱って飽きないのかな。
 なんて考えながら俺は席に着く。
 すると後ろからトントンっと指でつつかれた。
 チラッと後ろに振り返る。
 「なに?」
 「なに、じゃないわよ。毎回毎回、怒られてる
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