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フロンティアを駆け抜けて
揺れ動く支配者
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るアマノに対し、フロンティアのバーチャルシステムを乗っ取られ自身も操られているはずのエメラルドは不遜な笑顔を全く崩さない。ダイバがエメラルドに必死で訴える。

「パパ……! 本当に、パパはこの人に操られてるの? これも……フロンティアの参加者を盛り上げるためのイベントなんじゃないの?」

 実際にアマノが自分の母親を捕らえ、このフロンティアを支配している状況に不安を隠せないでいるようだった。それも当然だろう。ここに挑む前のダイバは、まともに戦ったら誰も勝てないと言い切るほど父親の力を信じていたのだから。エメラルドはバツが悪そうに頭を掻く。そしてその後拳を握り高慢に言ってのけた。

「ったく、何そこらのガキみたいな顔してんだ……お前は俺の息子じゃねーか。これくらいでビビッてないで現実を受け入れろよ」
「そうだけど、僕はパパと同じじゃない!」
「だとしても、お前はジェムよりもチャンピオンよりも強くなって上に立ちたいんだろ? だったらそのために邪魔するやつは問答無用で叩き潰してみやがれ。それがこの俺様であってもな!!」
「……!」

 アマノのカラマネロが気絶したネフィリムを放り捨て、ジェムとダイバの前に立ちはだかる。エメラルドも不敵に笑いながら躊躇なくマスターボールを取り出した。中かで出てくるのは、宇宙から降って来たような小さな隕石。

「岩タイプのポケモン……?」
「いや違う、これってまさか……!」

 岩が、まるで顕微鏡で見る細菌のように小さな糸を生やし変異していく。ごつごつした表面が滑らかに、色は赤と緑に変質し。ヒトガタを思わせるフォルムでありながら体の先は極小のゲノムを思わせるポケモンが登場した。

「気持ち、悪い……あのポケモン、知ってるの?」
「デオキシス……宇宙のウイルスが変化を起こして生まれたと言われてるエスパータイプのポケモンだよ」
「あれがデオキシス……!」

 自分の師匠であり、様々な伝説のポケモンを操るジャックから聞いたことがある名前だった。このホウエンにおける最強格の伝説はレックウザだが、それと同等の力を持つものがもう一匹存在すると。それがデオキシスだった。 

「さて、最終確認と行くか。あくまでこの野郎の掌握してるのはバーチャルシステムだけ……ネフィリムを眠らせてその立場を乗っ取ったと言え、バトルタワーのルールは無視できねえ。俺とこいつで二体ずつ、お前とジェムで二体ずつ……本来のマルチバトルと同じルールだ。俺たちが勝てばめでたくバトルフロンティアはアマノの物。お前らもこいつに操られるってわけだ」
「何がめでたくだ。どこまでも癇に障る……! いいか、バトル中は絶対に私の指示に従え!」
「当然だろ、俺様が自分の意志で本気を出したら今のこいつらに勝てっこね
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