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フロンティアを駆け抜けて
揺れ動く支配者
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ドの事業も計画も木っ端みじんに破壊して、私と同じ絶望を与えてやるのだ!」
「大人の話はわからないけど……そういうのは、逆恨みっていうんじゃないの!」
「何もわかっていない小娘が知った口を利くなあ!! 私も乗っ取られた当初は仕方ないと思っていた……金を困って借りたのはこちらの方だと……だが真実は違った!」

 激昂し、涙さえ流すアマノ。エメラルドがそれを一笑に付して言う。

「何小娘相手にマジになってんだよ中年。……まあわかりやすく言ってやると、そもそも俺様がこいつの研究施設に金を貸す奴らを脅したんだよ。チャンピオン様は軍事施設とか、ポケモン使って血みどろの戦いをするのはお嫌いだからな」
「え、えっと……」

 ジェムは突然話された社会の話についていけない。まずパトロンと融資が何かわからなかった。ダイバはわかっているようで口を挟む。

「……だからわざとお金に困らせて、そこに自分でお金を貸して自分の言うことを聞かざるを得ない状況を作った?」
「そういうことだな。……そこへあいつがバトルフロンティアの話を持ちかけてきた。様々なポケモンバトルを演出できる巨大テーマパークを作りたいってな。それを知ってこいつはっこんな復讐を企みやがったのさ」
「何もかも貴様らの手のひらの上だった……だからこそ、私は貴様らとその子供を操る! それが報いだ! アルカが貴様らを捕らえ損なったのは誤算だが……お前達をここへ誘導してくれた以上あいつの役割はこれで十分!」
「アルカさんが……誘導?」
「そうだ! アルカはお前に私を止めろと頼んだが……それこそがあいつの最後の罠。お前達をここまで誘導するために、あえて納得したフリをしただけだ!」

 ジェムはその可能性を否定できない。アルカが何を考えて話していたかは、あまりにも違う人生を送ったジェムには想像がつかない。だけど今の言葉は見過ごせない。

「……あなたなんかが、決めつけないで」
「何?」
「アルカさんは私達をここにおびき出したかっただけかもしれない。でも私と一緒に旅をするっていう言葉に納得してくれたかもしれない! もっと別の事を考えてたかもしれないのに……勝手なことを言わないで!」

 ジェムにとっては、研究施設やらお金の話よりもそちらの方がよっぽど重要だった。最後に自分に笑いかけてくれたアルカの気持ちを、この男に代弁なんてして欲しくないと思った。

「ふん……お前と言葉を交わすことに興味などない。さあ、自分と友の子供を叩き潰せエメラルド!!」
「ああわかってるよ。ただし……あんまり足は引っ張るなよ?」
「誰に向かって言っている!! 貴様は既に私の操り人形に過ぎないのを忘れたか!」

 アマノとエメラルドがにらみ合う。だが既に激情を露わにす
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