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フロンティアを駆け抜けて
揺れ動く支配者
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たらなんだかアルカみたいな喋り方になってしまった。

「あいつならいるぜ? みんなでお前らの挑戦を待ってんだ。あまり焦らすなよ」
「えっと……ならネフィリムさんともお話しさせてもらえませんか?」
「ハッ。疑ってるのか知らんが、言いたいことがあるなら直接面と向かって言いやがれ」

 言っていることはわかるのだが、とにかく上に誘導したいらしい。姿の見えない支配者と襲撃者、不透明な状況に不安を覚えるジェム。

「……行こう。上に誰がいるとしても……勝つ」
「そうね……私達二人で力を合わせれば絶対負けないわ!」

 ダイバは顔を上げ、ジェムを見ながら力強く言う。二人で部屋の中央に向かい、ジェムもラティアスから降りるとダイバに手を差し出した。ダイバも一瞬躊躇ったものの、その手を握る。

「やっとその気になりやがったか。それじゃあ……覚悟を決めろよ?」

 エメラルドの声と共に、ジェムとダイバ、ラティアスとメタグロスが乗っている部分の床が淡く光り、上昇していく。

「――――――――」

 ダイバはそっとジェムに耳打ちした。ジェムはにっこり微笑んで頷く。

(大丈夫、私は……お父様やお母様がくれたポケモンに、ダイバ君たちの事を信じる)

 昇っていくと、風が吹き始めた。いや、室内から外に出始めたことで風が感じられるようになったのだ。完全に登りきるとそこは平たく広い屋上だった。床に目立った装飾はないが自分の目線と平行線の場所に白い雲が浮かんでいるほどの高さが生み出す光景は荘厳ですらある。気温は低く、薄着のジェムは寒さに身震いした。

「ママ!」
「ネフィリムさん……!?」

 叫んだのはダイバだった。自分たちを迎えるように立っているのはエメラルドと、アマノ。そしてアマノの後ろには、ドレス姿のまま意識を失うダイバの母親、ネフィリムの姿があった。アマノの手持ちであるカラマネロに頭の触手で捕らえられている。ジェムもそちらを見て驚く。アマノは驚く二人を見て、苛立ちと嘲笑の混じった言葉を放つ。

「ふん……まんまと罠に嵌まってくれたな。これで貴様らも私の手駒となる」
「パパとママに何をした……!」
「見ての通りだが? ネフィリムを催眠術にかけ、それをもってエメラルドを脅した。逆らえばこいつの命はないとな。その隙を突いて、エメラルドも催眠術にかけてやっただけの事だ。そうとも知らずにここに誘い込まれた以上、お前達は終わっている。」
「アルカさんや私、ドラコさんだけじゃなくてネフィリムさんまで……どこまでひどいことをするの! そんな人は男の人として最低だってお母様も言ってたし、私だって許さないわ!!」
「え……?」

 テレビで見るような、人質を取って脅す作戦。非道を重ねる
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