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風魔の小次郎 風魔血風録
28部分:第三話 忍の掟その六
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隠れているつもりだったがな」
「気配でわかる」
 竜魔は悠然と右手で扇を操る陽炎に対して述べた。
「それだけの殺気を出していればな」
「殺気か」
 陽炎はその殺気という言葉に対して笑みを浮かべてみせた。血生臭い、獲物を味わう蛇の様な笑みだった。
「この陽炎だけ来たのかと思ったが。皆闘いが好きなようだねえ」
「血に餓えているのさ」
 雷電が手袋をその両手にはめながら前に出て来た。
「風魔の血にな。竜魔」
 そして竜魔に対して声をかける。
「貴様はこの雷電が」
「さて、竜魔よ」
 陽炎がまた悠然と竜魔に声をかけてきた。
「どうするのだ?まさか貴様一人で我等八人と闘うのか?」
「それでもいいが。だからといって容赦はしないぞ」
 黒獅子は二人よりもさらに好戦的な笑みを竜魔に向けていた。
「何しろ貴様等の血に餓えているからな、俺達は」
「俺と闘うか、竜魔」
 妖水はいささか狂気じみた笑みでヨーヨーを操っていた。
「楽に死なせてやるぜ」
「むっ」
 しかしここで。闇鬼がふと声をあげた。
「待て。どうやら一人ではない」
「何っ!?」
「どういうことだ闇鬼」
 彼のその言葉を聞いて白虎と紫炎が声をあげた。
「一人ではないだと」
「では一体」
「やいやいやい!」
 彼等が問うたその時。竜魔の横に小次郎が飛び出てきた。相変わらず右肩に木刀を担いで威勢よく姿を現わしたのであった。

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