28部分:第三話 忍の掟その六
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
隠れているつもりだったがな」
「気配でわかる」
竜魔は悠然と右手で扇を操る陽炎に対して述べた。
「それだけの殺気を出していればな」
「殺気か」
陽炎はその殺気という言葉に対して笑みを浮かべてみせた。血生臭い、獲物を味わう蛇の様な笑みだった。
「この陽炎だけ来たのかと思ったが。皆闘いが好きなようだねえ」
「血に餓えているのさ」
雷電が手袋をその両手にはめながら前に出て来た。
「風魔の血にな。竜魔」
そして竜魔に対して声をかける。
「貴様はこの雷電が」
「さて、竜魔よ」
陽炎がまた悠然と竜魔に声をかけてきた。
「どうするのだ?まさか貴様一人で我等八人と闘うのか?」
「それでもいいが。だからといって容赦はしないぞ」
黒獅子は二人よりもさらに好戦的な笑みを竜魔に向けていた。
「何しろ貴様等の血に餓えているからな、俺達は」
「俺と闘うか、竜魔」
妖水はいささか狂気じみた笑みでヨーヨーを操っていた。
「楽に死なせてやるぜ」
「むっ」
しかしここで。闇鬼がふと声をあげた。
「待て。どうやら一人ではない」
「何っ!?」
「どういうことだ闇鬼」
彼のその言葉を聞いて白虎と紫炎が声をあげた。
「一人ではないだと」
「では一体」
「やいやいやい!」
彼等が問うたその時。竜魔の横に小次郎が飛び出てきた。相変わらず右肩に木刀を担いで威勢よく姿を現わしたのであった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ