暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
記憶
[10/10]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
という他にもう一つ共通点があり、どれもこれもお金がかかるということだった。

「なるほどなぁ……しかしまた何でだ? こんな小難しいもんばっかよ」

「それは……ほら、リズって将来は、自分の店を持ちたいって言ってるだろ?」

 クラインからの率直かつもっともな意見に対して、少し口ごもりながら答えていく。まずはこれらを勉強することになった元凶の、リズの将来は何か店を持って客商売をしたい――と公言している夢について。

「だからその、店とかには……必要だろ? 会計士とか、そういうの。だから……えー、その、な……」

 言葉がどんどん尻すぼみになっていき、気が付けば消え入りそうな程の声量となっていた。話さなければよかった――という後悔だけが心に沈殿していき、気がつけば椅子に座ってうなだれていた。何やら将来について語ってしまって、今は恥辱でクラインの、恐らくはニヤケ面すら見ることは出来ないだろう。

「立派なもんじゃねぇか。でもアインクラッドの時も言った気がするけどよ、真面目すぎんだオメーはよ」

「……笑わないのか?」

「は? ……おいおい、もしかしてオメー、本音言うと笑われると思って見栄張ってんのか?」

「黙秘する」

 どうやら俺の予想に反してニヤケ面はしていなかったらしいが、そんなやり取りにクラインは今度こそ声をあげて笑っていた。まだ頬の赤みが引いていないので、クラインの表情は依然としてうかがえないが、どうやら今は腹を抱えて爆笑しているようだ。

「ハッハッハ、いやー損な生き方してんなオメー」

「放っておいてくれ……っと!」

 かと思えばクラインは肩を組んできたため、見たくなくてもその野武士面を嫌でも見つめることになって。ひとまず笑う顔から目を逸らしたタイミングと、クラインからその提案がもたらされたのは同時だった。

「そんなオメーにいい儲け話があるんだが、どうよ?」

「儲け話……?」

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ