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マクロスフロンティア【YATAGARASU of the learning wing】
疑念
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単純なのか頑固なのか、どうやら俺は空を、夢を捨てられなかった様だ。S.M.Sに入ったのが四年前、まともに飛べる様になったのが三年前、姐さんの部隊に入れられて、実戦も何度か経験した。
ゼントラーディの残党、宇宙海賊、その他諸々……命の奪い合いの中で、拒絶反応を無理矢理捩じ伏せた。その果てが今だ。
そんなニュアンスを感じ取ったのだろう。奏が気まずそうに目を伏せる。
「そう心配すんなよ。悪いことばかりって訳でもない。……今の俺には、夢以外にも飛ぶ理由があるからな。」
何か、は恥ずかしいから言えないが。
「しかし……ランカが歌手にねぇ……」
「意外なの?」
「ああ……元々歌う事は好きな奴だったけど、いかんせん引っ込み事案でさ。ミス・マクロスに出るってだけでも相当驚いたのに歌手なんてな。」
果たして勢いで言っただけなのかそれとも……覚悟は出来てるのか。俺としては後者である事を切に願うのみだ。
「……ランカちゃんの事もいいけど本来の目的忘れて無いよね?」
「大丈夫大丈夫。さ、行こうぜ?」
「………で、何でこうなったし。」
今俺がいるのは明らかに高級車と知れる黒塗りの車。同乗者は運転手とオズマ少佐とグラス中尉。奏は機密上の関係だかで連れてこれなかった。
相当むくれてたからな……後でフォローしとかないと。って、そうじゃなくて。
「……ハァ。」
「……どうされました?」
「想像つきませんか……?後、敬語じゃなくていいです……階級同じですし、グラス中尉の方が年上ですし。」
「………ごめんなさいね?政府からの緊急の命令で……」
んな事言われましても……折角の休日……滅多に出来ないデート……政府め……次の選挙は覚悟しろよ……まあ、俺一人の票なんて大したことないか。
「……んで、オズマ少佐はともかく俺まで召集してどうするつもりなんです?」
オズマ少佐だけならまだ分かる。少佐はS.M.Sのバルキリー隊全体の指揮も担っている。故に統合軍との連携の確認なんかで呼ばれる事は決して間違っていない。だが、俺は一介のパイロットに過ぎない。
「貴方達だけじゃないわ。S.M.Sからはアリーナ・ヴァローナ大尉も召集しています。」
「……アリーナもか?」
「俺と少佐と姐さんだけの共通項と言えば……なるほど、第117次大規模調査船団。もっと言えばバジュラ関連の話ですか。」
決まりだ。それしかない。第117次大規模調査船団の護衛だったオズマ少佐と姐さん、そしてそこに所属していたパイロットの息子である俺。バジュラに関して多少なりとも事前知識があった人間を集めてるって事か。
少佐も同じ回答に達したのだろう。腕組みをして低く唸
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