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マクロスフロンティア【YATAGARASU of the learning wing】
疑念
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で何をしている。」

「見りゃ分かるでしょう……休日を有意義に過ごしてます。」

「む……いや、それはいい。ランカはどっちに行った!」

「ランカ?どうかしたんですか?」

さて、誤魔化しといてって言われたしな。一応惚けとくか。

「いや、昨日アイツがミス・マクロスなんかに出たせいで停学になってな。その上歌手になるなんぞ馬鹿な事を言い出して……」

……思ったより時間稼げたな。つーか……

「……歌手になる、それのどこが馬鹿な事なんですか?」

奏さんがキレてるんですけど……

「……ん、いや、その……今のは……言葉の綾と言うか……」

あーあ、オズマ少佐も完全にびびっちゃってるよ。まあこの状態の奏はマクロスに重粒子反応砲……いや、バルキリーに反応弾……どれも物騒だな。

「……妹さんが生半可な気持ちで言ったのか本気なのか、よーく考えてください。……行こう、翼。」

「……お、おう。」

奏に袖を引っ張られ、引き摺られる様に連れていかれる。

「あ、少佐?」

「……何だ?」

「さっきの奏の話ですが……結構真剣に考えてやって下さい。……俺がパイロットになったのは今のアイツの歳です。それに……いつまでも餓鬼でいる訳じゃないんです。」

「……分かった。」










「……で、さっきのが上司の人?」

「ああ……悪い人じゃ無いんだがな……ちょっとばかし頑固過ぎるんだ。」

「ふぅーん………で?」

「……何だ?」

「さっきの娘は?ランカちゃん、だっけ?何だか随分仲が良さそうだったけど。」

ジト目を向けられる。視線が痛い。バジュラの重粒子ビーム砲に勝るとも劣らない威力だ。……なーんて、馬鹿言ってる場合じゃないか。

「……別に、妹みたいなもんだよ。アイツと俺は育ちが同じ場所でさ。アイツと、俺と同い年の兄貴と、三人でよく遊んでたんだ。」

そう、俺とランカの関係の始まりは、あのガリア4にまで遡る。

「で、まあ……ちょっとした事故があって、俺もランカも親兄弟を皆亡くして……俺は姐さんに、ランカは少佐に引き取られて、フロンティアに来たんだ。尤も、ランカは事故のショックで記憶を無くしてるんだけどな。」

……本当はちょっとした、なんてものじゃないんだけどな。あの事件を切っ掛けにランカは記憶を、ランカ・メイとしての自分を失った。

「そんな事が……翼は?」

「へ?」

「翼は平気なの?その……事故の後遺症とか。」

「……ああ、『もう』な。」

最初はVFや戦闘の動画を見るだけで吐いた。空を、パイロットを目指すことも止めようと何度も思った。でも、気付いたらまたパイロットスーツを着て、コックピットに座っていた。

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