第百七話 朝御飯の後でその四
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「かなりのご馳走か」
「日本の贅沢になりますかも」
「では欧州ではか」
「これは只の朝食のバイキングでしょうか」
「お酒はあるが」
「その程度でしょうか」
「そうかも知れないね」
僕はハムを食べつつ二人に応えた。
「あちらの感覚ではね」
「そうか」
「その程度ですの」
「そういえばこうした食べものも」
ハムにしてもフルーツにしてもサラダにしてもだ、シャンパンはちょっと別にして。
「結構安いよね」
「確かに」
「スーパーですと」
「シャンパンは高かめだけれど」
スーパーでもこれは普通のワインよりも高い。
「今はね、ソーセージとかだと」
「うむ、ごく普通だ」
「安く食べられますわね」
「パンは言うまでもないが」
「そうですわね」
「そうだよね、少し考えると」
場所も立派で宮殿みたいだ、このホテルの建築の仕方というか様式がそうしているせいで。
けれど予算的にはだ、こうした朝食もだ。
「朝のバイキングとしてはね」
「普通だな」
「そうなりますわね」
「そうじゃないかな」
「ううむ、よく考えると」
「そうなりますので」
「シャンパンは本当に別だけれど」
言いながらだ、僕は一杯飲んだ。これがまた美味しい。朝からお酒を飲めることは相当な贅沢と思うけれど欧州ではこれも普通らしい。
「ビールだとね」
「あっ、ビールは」
ビールと聞いてだ、円香さんはすぐにこう言った。
「ドイツ辺りでは朝から飲むそうですわ」
「それドイツから来た人に聞いたよね」
「はい、学園におられる」
欧州各国からも人が来ている学園だ、それこそ来ていない国は北朝鮮位だろうか。在日の人は別にして。
「朝食欲がないと」
「ドイツではね」
「生卵をビールの中に入れまして」
「飲んでね」
「朝御飯にするとのことです」
「栄養補給だからね」
「ビールは飲むパンですから」
この考えに従えばこれもありだ、卵とパンだ。
しかしこの話を聞いてだ、留美さんはサラダを食べつつ言った。サラダには白いフレンチドレッシングがかけられている。
「問題は栄養バランスだな」
「ビールと生卵は」
「コレステロール、プリン体が多い」
「それで、っていうんだね」
「痛風になりそうだな」
「それはね」
この話はだ、僕も否定せずに答えた。
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