第百七話 朝御飯の後でその一
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第百七話 朝御飯の後で
朝食にはとても思えない、このホテルの朝食はいつもこうだ。
ビュッフェ形式でパンに卵料理、ソーセージやベーコンが置かれている。フルーツやヨーグルトも何種類もある。
そしてシャンパンまであって飲み放題だ、留美さんもその状況を見て言った。
「信じられないな」
「全くですわ」
円香さんも言う。
「この朝御飯は」
「お昼でもだ」
それこそというのだ。
「かなりものだ」
「シャンパンもありますし」
「もう朝食ではない」
「そう思いますわ」
「しかしだな」
「はい、現実として」
円香さんは特にだった、ソーセージを見つつ留美さんに言った。
「今目の前にありますわ」
「そうだな、ではだ」
「はい、この朝御飯を」
「食べよう」
「これもサービスだから」
僕は驚きを隠せない留美さんと円香さんに話した。
「安心してね」
「このホテルのか」
「そうなんだ」
「贅沢だな」
「僕もそう思っているよ」
実は最初見てびっくりした、そして今も豪勢だと思っている。
「お部屋もいいしね、このホテルか」
「まるで欧州の貴族の様な」
円香さんは僕にこうも言った。
「そうした趣ですわね」
「うん、ただね」
「ただとは」
「実際はもっと凄いらしいよ」
「欧州の貴族の方々は」
「うん、もう桁が違うらしいから」
「このホテルよりも」
円香さんはもう想像がつかないといった感じだった。
「そうですの」
「そう聞いてるよ、もうね」
実際にだ。
「ホテルの一階を借り切ってお部屋にね」
「こうしたご馳走をですの」
「持ち運んでもらってね」
「楽しみますので」
「そうしたことすらね」
これだけでも僕から見て相当な贅沢だけれどだ。
「まだ序の口みたいらしくて」
「ホテルの一階借り切りも」
「ホテルのお部屋に住むとかね」
この話は聞いたことがある、何でも人を殺したイタリアの貴族が事件を知り合いのマフィアに揉み消してもらってからそのマフィアのアドバイスでホテルに泊まってほとぼりが冷めるまで身を隠していたらその暮らしが気に入ってずっと住んでいたという。
「あるから」
「それはまた」
「多分ここよりもね」
さらにだ。
「贅沢なホテルでお部屋も」
「いいお部屋で」
「そこに暮らすとかね」
「桁が違いますわね」
「宮殿とか持ってるとかね」
勿論他には別荘もある。
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