暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第46話「因果応報」
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ら桜さんや束さんでも、今回ばかりは納得しない。

「小を切り捨て、大を救う。一人でやれる事には限界がある。」

「....?」

「....つまりは、ユーリちゃんは大丈夫でも、俺達も大丈夫とは限らない。」

「....!」

 返ってきた答えに、俺はさすがに冷静ではいられなくなる。

「そんなの...そんなのってないですよ!!どうして、どうして桜さん達がそんな目に遭う必要が...!」

「至極真っ当な意見だな。...だけど、世界を動かすにはこれぐらいの事を仕出かさないとダメだ。ISの存在で勢い付いた女尊男卑の連中は止まらない。」

「それで、桜さんが標的になるのはおかしいでしょう!?」

 頭では理解している。だけど、それでも否定したかった。

「人間は例外的なものを排斥する。少数で世界を変えようとしても、圧力に潰されるだけだ。」

「ですけど...!」

 わかっている。分かってはいるんだ....!

「...秋十君、今日は色々あったから休め。」

「うぐっ...!?」

 首筋を叩かれ、俺の意識は遠のく。

「...俺達はやめない。止めたいのであれば、俺の言った事を思い出してくれ。」

「さ...く..ら..さ...........。」

 聞こえなくなっていく桜さんの声。
 だが、俺にはどうしようもなく、そのまま意識は闇に呑まれていった。









   ―――...目が覚めた時、既に桜さんの姿はなかった。











「...あいつなら、私の所にも来た。“じゃあな”と一言だけ言って出て行ったな。」

「...止めなかったんですか。」

「止められる訳がないだろう。」

 朝、桜さんの姿がない事を千冬姉に伝えると、そんな返答が来た。

「...残ったのは...。」

【.....。】

「白だけか...。」

 むしろ、なぜ白は残ったのだろうか?
 桜さんを慕っているのだから、ついて行くと思うが...。

「...なぁ、桜さんはどこに行ったんだ?」

【........。】

「.....ま、答えてくれないよな。」

 俺の傍にはいてくれる....が、決して桜さんについては何も言わない。

「せめて、なんで残ったか教えてくれるか?」

【...かつての夢を想い起こし、追い続ける人達を見届けろって、お父さんが言ったから。】

「夢を想い起こし...。」

「追い続ける...だと?」

 想い...起こす...夢...追う....?

「...まさか....。」

「想起...夢追...それってつまり...。」

 あの桜さんの事だ。無意味な言葉
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