暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第46話「因果応報」
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 ...そう。俺は本来なら、“織斑一夏”として生まれるはずだった。
 だが、こいつがいたせいで俺はそこから追い出され、“織斑秋十”という器に収まった。

「は.....?」

「別にさ、この際本来の体が奪われたとか、そういう恨みはねぇよ。俺が“織斑秋十”になり、お前に居場所を奪われたからこそ、今の俺がいるからな。」

 最初はこれ以上ないぐらいに恨んでいた。何せ、家族や幼馴染を洗脳してたからな。
 だが、皆が戻ってきて、その恨みは消えていた。

 だから....。

「これはケジメだ。桜さんと束さんは、これから行方を晦まし、俺とマドカは“織斑”へと戻る。その前に、お前の気持ちをはっきりさせておかないとな。」

「っ......!」

 拡張領域から木刀を二本取り出し、片方を投げ渡す。

「剣を取れ。お前がどうしたいか、言ってみろ。俺が決着を着けてやる。」

「くっ.....!」

 目の前に転がる木刀を見て、あいつはしばらく動かない。
 だが....。

「死ね...!この野郎がぁ!!」

「....はぁ....。」

 すぐさま木刀を取り、俺へと斬りかかってきた。
 ...そうか、そっちを選ぶか...。

「だったら、俺も容赦はしない。」

 斬りかかられたのを、俺は正面から受け止める。
 ...桜さんに教わった四属性は使わない。使うのは....。

「シッ!!」

「ぐっ...!?」

 ...こいつと対等の条件となる、篠ノ之流だ。

「剣を取った...つまり、お前はまだやめるつもりはない訳だ。」

「うるせぇ!!」

「...一度だけでなく、何度でも頭を冷やす必要があるな。」

 ...まったく、桜さんの影響を受けてるな...。
 ここまで冷めた思考ができるなんて...。

「(殺すつもりはない。...いや、その覚悟が俺にはないだけか。なら...。)」

 もう、こいつの太刀筋で俺が恐れる事はとっくにない。
 そのまま、崖から離れるように誘導していき...。

     カァアアン!

「.....!」

「っ!?」

 下からの切り上げで、態と木刀を弾き飛ばさせる。
 素手となった俺は、すぐさま木刀を持つ手首を左手で掴み...。

「ふっ!」

「がっ!?」

 引き寄せ、右手で押し、柔道の要領で倒す。
 下は岩なので、それだけでもダメージはあるだろう。

「くそ...!」

「...まったく...。」

 倒した際に、木刀を踏みつけて反撃されないようにし、弾かれた木刀をキャッチする。

「もう、お前は俺には勝てんよ。今のでわかっただろ。」

「ふざけんな!俺は一夏だ!主人公だ!て
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